「人たらし」は師匠譲りです
角界の内部で一応の落とし前はついた。今回の件で一番責めを負うべきは師匠であるという私の考えについては、ここでは触れない。
ただまったく反対のベクトルで、高砂親方の記者会見におけるあの一言については気がなごんだ。
記者団の「朝青龍はどんな弟子だったか?」の質問に、「こんな弟子です」と、真面目な向きには再び誹りを受けかねない或る意味でキワドイ返答をしたことだ。
あの怖い顔をほんの少し崩して、軽い冗談のような、それでいて本心のような「肩すかし」だった。
ひょっとしたらここ数年、一番苦慮していたのは彼だったのかもしれない。そしてそれから解放された瞬間、思わず口からこぼれ落ちた軽口だったのだろう。
そして彼らの次の段階が待っている。