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大島弓子さんの『ダイエット』

マンガ

前に読んでたんだけど
なにげなく読み返してたら、けっこうすごい短編マンガです。

主人公の福ちゃんは、かなり太った女子高生です。
彼女の家庭は複雑で問題があり幸福な家庭ではなく
彼女は食べることによって、過去のことをジャガイモのように
掘り起こして、それを磨き上げて箱につめて意識の奥にしまいます。
そうしてるうちに満腹になって、二ルーバーナ(涅槃、安心の世界らしい)
にいける快感のシステムがあって、それで太ってるのです。
そんな彼女には親友がいて、親友につきあうようにダイエットをはじめ
そうして痩せてみるとすごくモテるようになります。
親友とその彼氏のデートにいっしょに行くと、親友の彼氏が
とても優しくしてくれたりします。
ここで、三角関係の話になるなら平凡ですが、そんなことはありません。
太っても彼が優しいのか、試すためまた食べだして太って、またやせて・・・
そのうち過激なダイエットから体調を崩し、拒食症になり入院。

過食症や拒食症にいたる心理の病理が、じつは失われた家庭にあり、
親友とその彼氏への思いは、家庭喪失の代理の意味をもっていて。
短編なので、いろいろ説明してない部分を想像していきます。
最後に親友と彼氏が、福ちゃんへみせるある決意
これ、ふつうの作家には思いつかないなあ。
小説で書くような摂食障害の心理をかわいい絵でえがいてます。
いろいろ深読みできる作品です。
大島さんや、萩尾望都さんをはじめ少女マンガの心理描写には
すごいものがありますね。

少女マンガだけど、あまり少女には面白くないかも
大人の女性にはおもしろいと思います。


  • onpu

    onpu

    2009/06/30 07:07:09

    かなさん

    コメントありがとうございます

    小説がエンターテイメント重視になって
    それはそれでいいのですが
    かつて小説が扱っていたような
    人間の心理描写を大島さんは
    このマンガでやってると思いました
    また、グーグーのシリーズは
    マンガならではのエッセイだと思うし

    大島ワールドが確立されていますね

  • かな

    かな

    2009/06/30 06:09:42

    私もこのダイエットは読んですごーく衝撃を受けました。
    大島弓子恐るべし、を実感したお話でした。

  • onpu

    onpu

    2009/01/27 04:15:59

    ぷもさん

    コメントありがとです
    あ、ぷもさんもそう思われますか
    大島弓子さんの作品を時系列的にずっと
    読んでるわけではないので、よくはわからないんですが
    「ダイエット」はサバのでてくる猫のエッセイ風マンガと
    同じ頃にかかれていて
    この頃から、なんか円熟期にはいったというか
    かきたいものがわかってきたというか
    なんかそういう感じがするのです


     

  • onpu

    onpu

    2009/01/27 03:58:30

    賢斗さん

    コメントありがとうございます
    「バナナブレットのプティング」は知らないですが
    それはぜひ読んでみたいですねえ
    小説で若い頃読んだのを、大人になってから読むと
    また違った味わいがあるといいますが
    大島さんのマンガも同じですね
    そういう意味でも、文学作品なんでしょうか
    古いマンガ、賢斗さんもブログに書いてください




  • ぷも

    ぷも

    2009/01/26 23:54:57

    ダイエットはスゴイ作品ですよね。

    想像だけでこの話を書いたのだとしたら、やっぱり大島先生は
    天才なのだろうと思わされる作品だという感想を持ちました。

  • 賢斗

    賢斗

    2009/01/26 09:10:51

    はじめましてこんにちはです~。ご訪問いただいたので、お返しにと
    思って参りましたら、大島弓子先生に反応しましたw

    僕はやっぱり「バナナブレットのプティング」に衝撃を受けた世代なので…。
    あれもある程度、歳を取ってからでないと意味がわからない作品では
    あるように思うのですが、ある程度歳取ってからだと、何度読み返しても
    新しい発見があるように思います。

    それこそ今は見る影もない(笑)「少コミ」(と言っても、今の読者に何かは
    残すのでしょうから、それはそれでポジティブな意味はあると思います)
    に大島先生が描いていらっしゃった頃の作品です。これ自体は今は亡き
    「月刊セブンティーン」での連載で、やっぱり高校生ぐらいで読むべき
    話のように思いましたし、事実高校生の時読んだんですけど…
    ああ、さすがにリアルタイムではないですがw。

    いろんな方が言われてますが、ラストシーンの解釈がいろいろ分かれる
    ところで、でも、非常にカオスである反面、とってもポジティブなお話
    という気がします。何て言うんだろう、一言で言えば救われる話?

    古いマンガのお話は食いついてきますですorz

  • onpu

    onpu

    2009/01/23 00:39:30

    parseleyさん

    コメントありがとです
    甘いものといえば、女性のほうが甘いものを
    我慢できないということが、学術的にあきらかになった
    というのを、最近ききましたが、理由は忘れました・・・
    女性のほうが甘いもの食べて幸福感をあじわえるっていうのも
    きいたことあります

    「つるばら つるばら」もちょっとかわってるけど、面白いですね

  • onpu

    onpu

    2009/01/23 00:32:06

    撫子さん

    コメント、ありがとです
    そうです、綿の国星の作者さんです
    綿の国星のころ、大島さんは猫飼ってなかったそうで
    その後、猫に魅入られていくさまが、サバのシリーズ(白泉社文庫)
    や今の「グーグーだって猫である」に描かれてておもしろいです
    マンガやアニメ、ほんとに侮りがたしです

  • parsley

    parsley

    2009/01/22 23:13:55

    たしかこのマンガだったと思うのですけど、
    大島弓子さんの作品のなかで、
    失恋した時に甘いものを食べると、脳の神経細胞が麻痺して、
    ツライことが忘れられる、というような会話があり、
    「なるほど!」と思ったわたしは、
    以来、失恋した友人には、チョコレートパフェを奢るようになりました(笑)。

    可愛い絵柄で、ほんわかとした雰囲気なのに、
    どこか哲学的な奥深さを持ち合わせた作品ですね。
    「つるばら つるばら」も、どこか不思議で好きな作品でした。

  • 撫子

    撫子

    2009/01/22 21:40:42

    他人がお勧めする小説・映画・漫画って、
    本当に面白かったな~という経験が正直あまりないんですけど、これは面白そうですね♪
    大島弓子っていうのは、「綿の国星」の作者でいいですか?(ちょっと古すぎるかw)
    最近の少女マンガって、ヘタな純文学よりもずっと内容深いですよ。
    アニメもマンガもバカに出来ません。大人もう~んとうなってしまいます。
    私も深読みできるの好きですから、機会があれば一度読んでみたいと思います。
    onpuさん、教えてくれてありがとう♪

  • onpu

    onpu

    2009/01/20 22:57:20

    コメントありがとうございます


    rikoさん

    マンガ喫茶、行ったことないけど
    大島弓子さんは、あるんじゃないかなあ
    グーグーしかないかな
    マンガ喫茶って文庫もあるんでしょうか
    文庫の「つるばら つるばら」に入ってます
    ほかにも文庫でけっこう出てます


    織部さん

    白泉社文庫が入手が簡単だと思います
    織部さん、岡崎京子って知ってますか
    この人もおすすめです
    生まれてくる家庭は選べないですもんね
    凶悪犯罪者はたいてい家庭環境に原因がありますね


    みぃさん

    近年は猫のエッセイ風マンガばかりですが
    初期はいかにも少女マンガ風
    その間の、中期ってことになるんでしょうか
    大島さんは、熱心なファンとかいるんで
    そういう人たちの話をきいてみたいです


    キルミスターさん

    「夏の終わりのト短調」って読んだことないです
    読んでないのはたくさんありますねえ
    「秋日子かく語りき」とか「四月怪談」みたいな
    ファンタジーっぽいのも好きです


    サクレクールさん

    短いので、さっと読むと
    なんだかよくわからないなあ
    って感じなんですよ
    大島弓子さんて繊細な人です


  • onpu

    onpu

    2009/01/20 03:40:01

    みなさん、コメントありがとです


    メメくらげさん

    あー、ラストのクッキー
    それまでは、食べる行為はおいしいとは無縁だったんですよね


    まりさん

    大島弓子さんは猫ものが一番好きなんですが
    ダイエットは今回じっくり読み直して、前は気づかなかったことが、いろいろありました
    それにしても、まりさんの家って・・・あ、もう驚かないんだけどね


    みいさん

    白泉社文庫「つるばら つるばら」に収録されてますよ
    他の話も、興味深いです


    taronさん

    大島弓子さんも好きなんだぁ
    コミックも、もってるんですね
    最後の決意のとこ、へえー、なるほどなあって思いました
    萩尾さんも、比較的新しい短編でちょっとブログに書きたいのあるんです


    かずみあきさん

    むかしの作品は、いかにも少女マンガ
    っていう感じですが
    白泉社文庫のは、猫ものとかも
    何冊かでてて、いいですよ
    大島さんのファンて
    団塊の世代にもいるんじゃないかなあ


    こむぎさん

    あ、グーグーは読んだんですね
    サバのでてくるシリーズは読みましたか
    「サバの夏が来た」
    「サバの秋の夜」(どっちも白泉社文庫)
    大島さんの猫との関り始めとかあって
    これもすごく面白いです















  • サクレクール

    サクレクール

    2009/01/19 23:54:52

    なるほど、少女向けのようでいて、大人が考えさせられるような内容ですね。
    読んでみようっと(`・ω・p)メモメモ…

  • キルミスター

    キルミスター

    2009/01/19 21:11:28

    大島弓子さんや萩尾望都さんが描いていた頃の別コミ購読者でした。
    ダイエットは読んでいませんでした。深い作品そうですね。。。
    大島さんで心の病が描かれている作品というと
    「夏のおわりのト短調」ってのもありました。
    ディテールは覚えてないけど、ちょっと気の滅入るお話でした^^;

  • みぃ

    みぃ

    2009/01/19 18:59:12

    大島弓子さんってそういう本も書かれていたんですね。
    ダイエットの為の本ではなく、もっと深い部分のお話とは。。。
    いろいろ考えさせられる内容なんですね。
    機会があったら読んでみます^^

  • 織部

    織部

    2009/01/19 05:25:45

    大島弓子さんですね、メモメモ。
    大人の漫画を探していたところなので、
    今度読んでみます~。

    家庭って大事ですよね。
    私もよくそれを思います。
    大人になっても、その喪失感と戦って生きていかなきゃいけない。

  • riko

    riko

    2009/01/19 00:58:20

    漫画喫茶にもあるかなぁ・・・あったら読んでみたい。

  • こむぎ

    こむぎ

    2009/01/19 00:35:25

    大島さんのマンガでそういうのもあったんですねー
    知りませんでした。
    グーグーだって猫である、しかちゃんと読んでないかも^^;
    心理描写すごそうだなー
    見かけたら読んでみたいかも

  • かずみあき

    かずみあき

    2009/01/18 23:54:20

    大島さんは実はお名前だけで読んだことありませんでした。
    でも、読んでみたくなりました。
    心理描写がしっかりしている少女漫画は本当にすごいですよね。
    誰か持っているか聞いて読んでみよう。

  • taron

    taron

    2009/01/18 23:52:21

    ふふふ…大島弓子さんの話題なので、またまた すっとんで来ましたよ^^
    私はコミックと文庫本で持ってます(ささやかな自慢^^;)

    ダイエットは最後のシーンがいいですね~^^ 福ちゃんと彼氏の決意。
    いつも終わり方に余韻があって…そこも好きです。

    萩尾さんも好きです!以前はかなり読みまくりました。
    また読みたくなってきたな♪

  • みい

    みい

    2009/01/18 23:44:03

    へぇ~☆ ちょっと読んでみたくなりました♪
    題名から ダイエットの本かと思ったら
    内容はそうはないんだね・・・

  • まり

    まり

    2009/01/18 21:49:01

    「ダトエット」、ずいぶん前によみました。私にとっても、深く印象に残る短編でした。
    大島弓子さんの昔の作品には、家族にまつわる何らかの欠落を描いたものが、いくつもありますが、そのどれもが、一度読むと忘れられない強さをもっていたと思います。

    現実には、同世代の子たちが喪失した家族の代理となることは困難ですし、いろいろな危険も伴うものだろうと思います。だからこそあのお話は、うつくしい夢なのだと思います。面白いというお話ではないですけれども、夢があることで救われた、若い読者さんも、きっといるのではないかと想像します。ひさびさに再読したくなりましたが、家のなかのいったいどこにあるのか…探すのに一年くらいかかりそうです(泣)。

  • メメくらげ

    メメくらげ

    2009/01/18 21:27:14

    大島弓子いいですよねー。大好きです!
    ラストのココアクッキー齧るシーンで泣きそうになりました。

    萩尾望都も大好きです。特に『銀の三角』と『メッシュ』が好きです。