無駄に費やす日々~日常という名の非日常~

透明マリォ

2009年4月5日スタート!
ほとんど更新しませんがよろしくお願いします。
最近は主に小説を載せております。
たまに、自分流の哲学を織り込んでいたりします。
新小説のタイトルと少しの設定を求む!! By狐鞠

新小説第3話

自作小説

新小説プロジェクト(?)第1作品『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第3話
『昼ゲツの守リ』

私は、普段月落ちの時ぐらいしか人間にはなれない。
しかし、ある方の命があれば、いつでもなれるのだ。
だが今回は独断だ、神の地位をおろされても仕方ないと思う。
はぁ~、やはり月吉高校は月見山からは遠いなぁ。
月「地図を幻狼から頂いたが、必要なかったなぁ。それに、こんなに遠いなら着いてから人化すればよかったなぁ。」
コレでもまだ無口な方だ。
どうやら、自己紹介でもしているらしい。
神の一人ともあろうものが2階にいる人間達の声が聞こえない。
はぁ~、自分の無力さを感じさせられる。
それよりも、気になることがある、地図に載っているこの、『かりくら屋』とは一体何なんだろうか?
あ、2階というのはだな、月吉高校は2階が1年、3階が2年、別校舎で2階が部室、3階が3年だからだ。
さて、どうしようか…。

諒子「ねぇねぇ眸ちゃん、あの男の人と知り合いなの?」
そこには、あの男の人が立っていた。
眸「うん、一応」
諒子「じゃあさ、名前はなんていうの?」
そういえば聞いていなかった。
そうそう、この子は谷原 諒子(たにはら りょうこ)
いきなり話しかけてくれたのは嬉しいけど…
眸「…顔が近い…」
諒子「あ、ごめんごめん~、でさあの男の人の名前知ってるの?」
眸「ごめん、そういえば…聞いてなかった。」
諒子「じゃあさ!聞きに行こうよ!!それに、あそこで何してるかも教えてもらおうよ!!!」
そして…強引だ。

諒子「すみませ~~~ん」
月「何?あっ!?…」
諒子「こ、ココで何やってるんですか?そしてお名前を教えてもらえませんか?」
強引だ、しかもそれもいきなりだ。
月「鉦鏡 月夜(かねかがみ つきや)…私はココでも時を待っていた…?」
諒子(なんで疑問系なの?)「え、えーっと、月夜さんって言うんですか!?」
眸(へぇ~、そういえば、闇白から聞いたけど月落ちの泉でもそんなこと言ってたって)
月「…うん」
ボソッと言いながら軽くうなずく。
眸は勇気を振り絞って言う。
眸「なんで、何で時を待っているの?!そして貴方の待っているときって何?」
ものすごく難しい質問だと思った。
でも答える。
月「なぜだろう、気づけばずっと時を待っていた。そしてそれが何なのかも考えていなかった。」

寂しそう、悲しそう、いや、そうじゃないそういうのとは少し違っていて一つ言えるのはその顔に覚悟が見え隠れしていたという事。少々の事情などを知らなければ、ただ悲しそうな顔がそこにあった。でもあきらめている様子は無かった。
そして、私は思い口にする、
眸「待ってるだけじゃ、何も変わらないんじゃないの?!」


はっとした、真っ白だった空間に、虹がかかったようだ。
草原が広がりそうな勢いでその言葉は何度も何度も折り返してくる。
諒子「…(何?何が起きてるの?コレは夢なの?いや違う、夢じゃない夢じゃないけど夢みたい)」
月「…非日常…日常に潜む非日常、闇に潜む光。…そうか、なんとなく来たのかも知れない、時が…いや、元々来ていたんだ。それに気づかなかっただけか…。」
ぼそぼそとしゃべっていたためあまり聞こえていなかったみたいだ。
だけど、彼女の瞳は潤んでいた。
間違いない、聞こえていたんだ、彼女には。そして、聞いていたんだ。幻狼から少々の事情を…
そして、何も言わず走って行った。
諒子「ちょ、ちょっと待ってよ!眸ちゃ~~ん!」
今がチャンス…かもしれない。
かりくら屋に行ってみよう。

第3話
『昼ゲツの守リ』
~完~

次回
第4話
『神々のカタチ』

今日の名言
『非日常に慣れればそれが日常になる。問題なのは見つけるのではなく気づく事。』

以上!