YUKIEのきまぐれ日和

YUKIE

 気まぐれに、その日の出来事や、感じたこととかを書いていくつもりです。
 あと、別のブログで公開していた小説もUPしています。よかったら読んでください。

ひっくり砂時計~前編~

自作小説

 久しぶりの自作小説です(^^)これは、以前書いた作品「タイムリミット」の続編に当たる作品です。でも、前作を読んでいなくてもわかる内容です。




1.あなたの名前を入れてください
「常盤恵」

2.あなたの性別を選んでください
「女性」

3.あなたの生年月日を入れてください
「1978年10月9日」

4.あなたの血液型を選んでください
「A型」

5.あなたの好きな数字を入れてください
「3」

6.あなたの好きな色を選んでください
「水色」

すべて入力したら、下の水晶球をクリックしてください
Click)

 水晶球をクリックすると、不思議な音がして球が光り、水色の本体にピンク色の砂の砂時計を持った白装束の女性が現れた。そして、下に結果の文章の書かれた紙が現れた。

『時の女神に愛されている貴女』
 常盤恵さんは、几帳面で時間を大切にします。そんな貴方は時の女神の愛を受けています。
 これから先待ち受ける困難を、貴方は「時の女神」の力を借りて、時間を要領よく使いこなして乗り越えていくことでしょう。
 もしかしたら、貴方は時間にまつわる不思議な体験をするかもしれません


「ふ~ん、時の女神かぁ。几帳面なのは当たっているかも。あとで兼成と未来のも占ってみよう。」

 恵がやっていたのは、インターネットの占いサイトにある占いの一で、生年月日や好きな色などを入力することで、自分がどんな神や女神に愛されているのかを占うというものだ
 結果は「時の女神」のほかに、「太陽の神」、「方角の女神」、「動物の神」、「本の女神」、「お茶の神」など、自然界のものから身近なものまで様々な神がいる。


 パソコンの電源を切ると、恵は夕飯の支度に取り掛かった。と、
「ママ~、これ見て!」
「ん?」
 娘の未来が台所に入ってきた。見ると、未来は首から天使の絵柄の懐中時計を下げている。
「未来、その時計どうしたの?」
「パパがくれたんだよ。」
「あ~、またパパのコレクションね。」
(兼成ったら、相変わらず時計好きね~。ほどほどにしてくれればいいけど。)


 夕飯を食べたあと、空になった牛乳ビンを外に出しに行った。
 と、郵便受けの中に封筒が入っていることに気がついた。
「こんな時間に手紙?珍しいな・・・・・・。」
 取り出してみると、「常盤恵様」と書かれているだけで、差出人の名前は無い。切手も貼っていない。
「なんだろう?」
 封筒を開いてみると、そこには小さな砂時計のペンダントと、紙切れが1枚入っている。砂時計は、さっきの占いに出てきた砂時計によく似ている。紙切れにはメッセージのようなものが書かれている。

【時の女神に愛された貴女へ】
 この砂時計を一時だけ使うことを許します。この砂時計をひっくり返すと、時間を少しだけ戻すことができます。ただし、使えるのは3回までです。

「何これ?なんか気味悪いな~。」
 どうしようかと迷ったが、ひとまず持って行くことにした。

 家の中へ入ったそのとき
(パリーン!!)
「な、何!?」
 何かが割れる音がしたので、急いでそのほうへ行ってみると、台所で兼成が真っ青な顔になっている。
「め、恵み悪い!やっちまった・・・・・・。」
「え?あ゛ーっ!!」
 兼成はマグカップを取り出そうとした拍子に、バカラのグラスを一つ割ってしまった。家族旅行のお土産で、3人色違いで同じ模様を選んで買ったグラスの一つである。
「あっちゃ~、お気に入りだったのに・・・・・・。」
 と、不意に恵は持っていた砂時計をひっくり返していた。
 すると、目の前の割れたグラスの破片が集まり、中に浮かび上がり、食器棚の中に元の状態で納まった。
 それはまるで、巻き戻した画面のようだった。
「お、おいっ。今、何が起こったんだ?」
「さ、さぁ?私もよく・・・・・・。あっ!もしかして」
 恵はさっきの砂時計を見た。
「もしかして、この砂時計の力?」
「なんだ?この砂時計?」

 恵は、さっきのことを説明した。
「へぇ~。お前にもこんなものが送られてくるなんてな~。」
「って、兼成、なんであなたそんな風に順応できるの?」
「ほら、俺、前に話したことあるだろ?不思議な懐中時計でタイムスリップしたことがあるって。」
「そ、そういえば、前にそんなこと言っていたわね。」
「その懐中時計が送られてきた時と、今お前に砂時計が送られてきたっていうシチュエーション、よく似ているんだよ。」
「ま、まさか・・・・・・。」

 兼成の聞かせたエピソードも目の前で起きた出来事も、恵にはまったく信じられなかった。
 が、数日後、この砂時計の力が本物だと確信する出来事が起こったのだ。