NHKの顔と私が勝手に思っている複数のアナウンサーさんがいる。今具体的なお名前がそらで出てこないので調べてみた。

　石澤典夫さん。
　末田正雄さん。
　武田真一さん。
　畠山智之さん。
　森本健成さん。
　
　要するに帯でニュースを担当している（していた）方々だ。石澤さんや畠山さんの重厚な表情と語りは落着きと機敏性を兼ね備えた素晴らしいものだと思う。末田さんには親しみが湧くし、武田さんはシャープだ。森本さんは数年前に北海道勤務だったこともあり、自然に画面を見ていられる。

　さて、もうお一人いる。どんなニュースも（楽しいニュースでさえ）悲痛な面持ちで視聴者に訴えかけるあの人だ。まだお若いとは思うのに大半の髪が白髪に変貌するほど身を削って、事態の深刻さ、重要性、悲惨さ、あまつさえ家族の団らんの明るさまでも、両眉を寄せ厳しい眼差しでペシミスティックに語る彼の名は登坂淳一。


　その登坂さんが今春NHK北海道に赴任される。代わりに北海道が生んだ偉大な”奇跡の声”森田美由紀さんが再び東京に戻されるという。

　3年前に彼女が札幌に復帰したとき、それを喜ばない道民はいなかった。客観的には美声の範疇には入らないその声、しかしやや低目のトーンの心地よさと発音の豊かさは間違いなく日本最高級といえる。彼女を再び中央に送り込むのもいたしかたないだろう。

　そして入れ替わりに来る登坂さん。どんな楽しい話題も悲しみの絶頂に引き落とす登坂さん。ようこそ北海道へ。


　実は秘かにファンだったんです。