無駄に費やす日々~日常という名の非日常~

透明マリォ

2009年4月5日スタート!
ほとんど更新しませんがよろしくお願いします。
最近は主に小説を載せております。
たまに、自分流の哲学を織り込んでいたりします。
新小説のタイトルと少しの設定を求む!! By狐鞠

新小説第8話前編

自作小説

新小説プロジェクト(?)第1作品『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第8話
『少年の悲シミ』
前編

悲しみに支配された少年というものはさほど珍しくも無いと思うのだが、今回ばかりは違うのかもしれない。
時は少々さかのぼり、私の妹が私に会いに来た日の前日の夕方あたりになる。
月「やぁ、どうしたんだい?うかない顔して」
等々力「…いえ、特に何もないのですが…」
月「何も無いわけないだろ」
等々力「…実は僕どうしたらいいか分からなくて…」
月「(たしか、太陽からもらった書類があるはず、そこに載っているかもな)…今度調べておこう」
等々力「いや、そういうことはしなくても」
月「そうだ、確かお前眸や飛花里とは面識があったよな」
等々力「えぇ、諒子君がよく一緒にいますからね」
月「理由といっては足りないけど、図書室のパトロールを頼みたいんだが」
等々力「わかりました…でもなぜ?…」
月「最近放課後に無断で図書室に入り、本を返却する生徒がいるみたいなんだよな。」
等々力「それで、ですか。でもなぜ僕に?」
月「さっき言ったと思うが?」
等々力「そうですか、では…」
月「コレを持って行きたまえ」
そういって私は、ペンライトをわたした。
等々力「わかりました…」
月「ふふふ…(私のシナリオは着実に進んでいる。)」

等々力「一体何を考えているんだあの人は…」
すると、ササっと音がする。
僕はそこに向けてペンライトを向ける。
等々力「誰だ?誰かそこにいるのか?」
優岐「ごめんなさい…僕…鉦鏡 月夜さんを待っていただけなんです。本当です!どうかお助けを…」
等々力「(月夜さんを待っていた?…やはり何かある…あの人には!)大丈夫です、何もしませんから…」
優岐「本当…ですか?」
等々力「あぁ、本当さ僕は有馬 等々力と言います。お嬢さんは?」
優岐「お、お嬢さんじゃありません!確かに、僕は女っぽいところがあるかもしれないけど…(本当は女だけど…)」
等々力「ごめんごめん、何せ暗いもんだから…」
優岐「わ…僕も大きな声出してごめんなさい…僕は綾津路 優岐と申します。」
等々力「女の子みたいな名前だね。」
優岐「か、からかわないでください!」
等々力「ごめんごめん」
優岐「等々力さんって意外と意地悪なんですね」
その時の笑顔はとてもかわいらしいものだった。
どうしてだろう…女の子にしか感じない…。

月「なかなか楽しそうじゃないか、ねぇ黒羽君」
黒羽「はい、代理」
全くだ、ある意味うらやましい…。
黒羽「うらやましいなんて思っていませんよね」
月「(なぜわかる?)あ、当たり前だろ」
等々力「実はさ…今悩み事があるんだよね…」
優岐「悩み事ですか?それって、悲しい事ですか?」
等々力「かもしれない…」
月「ふふふ…調べる手間が省けたねー。」
もしものことがあるといけないから、優岐っちには、前から説明をしておいた。
もしも、悩み事やらがあると言ってきたら、相談に乗ってあげてくれ。と。
優岐「(あの人の言っていた通りだ…)…僕でよければ相談に乗りますよ?」
等々力「実は昔、好きな女の子がいてね…その子僕より年下でね。」
月「お、始まった!」
黒羽「趣味悪いですよー」
月「まぁまぁ、校長代理として心配してるんだよぉ」
黒羽「そのわりには楽しそうですね」
当たり前だ、人間の悩みなんかそう聞けるもんじゃない。
まぁ、よく聞いていたけどな、最近聞かないもんだからさ。
優岐「それでどうしたんですか?」
等々力「僕とその子はよく一緒にいたんだけどね、その子の家に強盗がやってきて、その子の母親に撃った弾が流れて、その子は死んでしまった。僕の目の前でね。」
月「ほほぉ、コレは興味深い」
黒羽「代理、恐ろしいですよ」
月「そういう意味じゃないよ。まぁ見てな、そのうちもっと重大な事が聞けるよ」
黒羽「一体なんですか?」
優岐「そう…なんですか…」
等々力「そんでもって、今悩んでるのはそれだけじゃないんだよね。」
優岐「何ですか?」
等々力「谷原 諒子っていう部活の後輩がいてね、その子が昔仲良かった子に似てるんだ。」
優岐「その、昔仲がよかった子はなんていう名前なんですか?」
等々力「黒河 美弥子(くろかわ みやこ)だったと思う」
優岐「そうなんですか…おっと、もうこんな時間だ!僕もう帰りますね」
月「上手いねぇ、さすが優岐っち」
黒羽「優岐っち?ネーミングセンスのかけらもありませんね。というかなんですか?そのあだ名は」
月「いいだろ、この際なんだって」
黒羽「生徒に関して、あまり関心がありませんので…」
月「はっはっは…」
シナリオ…か、また面倒な役を押し付けられたものだ。

続く

今日の名言
『人生に次回は無いのだ。だから今を頑張って生きるのだ。』

以上!