恭介

垓下の歌

日記

力は山を抜き、気は世を覆う。

時利あらずして騅逝かず。

騅逝かざるを如何せん。

虞や虞や汝を如何せん。




(訳)
私の力は山をも動かす程強大で、気迫はこの世の中をおおい尽くしてしまう程なのに

時勢は私に不利であり、(愛馬の)騅も進もうとしない

騅が進もうとしないのを、もはやどうする事もできない

虞よ、虞美人よ。そなたの事を一体どうすれば良いのか





このアバターが項羽に見えたから、釣堀で項羽と虞美人の話をしました。

その時、この歌を思い出しました。

項羽と絶世の美女と言われた虞美人の馴れ初めについては歴史書に一切記述はないのですが。

垓下の戦いの際に「劉邦率いる漢軍に敗れた傷心の項羽の傍にはいつも虞美人がおり、項羽は片時も彼女を放すことがなかった」と記されています。


その後、劉邦軍により垓下に追い詰められ、四面楚歌の状態になって自らの破滅を悟った項羽は彼女に、↑の歌を歌い、垓下から脱出します。

その後、虞美人は、足手まといになることを嫌い自殺し

項羽も劉邦に敗れて、殺されるという、悲劇的な最期を遂げます。

  • るり

    るり

    2010/03/20 02:12:19

    虞や虞や汝を如何せん…いつ聞いても泣けます。
    わたしが虞美人だったとしても(おこがましいですが)同じ道をとると思います。
    それにしても、この訓読を最初にしたかたもすばらしいセンスですね;;

  • にゃんぴち

    にゃんぴち

    2010/03/18 12:43:40

    時代が違ったら2人は幸せにいられたのかな~

    一緒にいることが一番の幸せだと思ってる私にはつらいお話です。。。(T_T)

  • こころ。

    こころ。

    2010/03/18 09:54:34

    なんと悲しいうたでしょう・・・。
    でも、自分の命をも厭わない深い慈しみのうたですね。。。

    こんな時、私だったどうするかな・・・

  • lemon

    lemon

    2010/03/18 08:35:47

    片時も虞美人を手放すことがなかった項羽がこのような歌を彼女のために歌った時
    彼女が足手まといになることを嫌って自殺してしまった気持ちがわかります。
    好きな人が困って悩んでいる姿を見るのはとても辛いものですよね。
    切なく、胸が痛くなる結末ですね。