無駄に費やす日々~日常という名の非日常~

透明マリォ

2009年4月5日スタート!
ほとんど更新しませんがよろしくお願いします。
最近は主に小説を載せております。
たまに、自分流の哲学を織り込んでいたりします。
新小説のタイトルと少しの設定を求む!! By狐鞠

新小説第8話後編

自作小説

新小説プロジェクト(?)第1作品『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第8話
『少年の悲シミ』
後編

蛇火「そろそろね…」
眸「どうしてこんな事を?」
カラス「俺達は人々から崇められてきたが、最近は全くだ。その上神と同等に見られたりする。」
飛花里「そのような事で?そのような事でこんな事をしようと思ったのですか?」
ヤブ「違うよ。それだけじゃない。僕らは神には認められないし、人とも見られない。曖昧な存在なんだ。だけど、」
眸「だけど?」
蛇火「だけど、そういう存在として確立してるわけじゃないのよ」
カラス「立場が無い。生きる場所がないんだ」
飛花里「だからと言ってこんな事をして何の意味になるのですの!?」
???「その通りだよ!飛花里ちゃん、君の言う通りさ」
蛇火「な、何者?!」
影夜「俺は、影を扱いし者だ」
カラス「能力者だと?」
影夜「近いけど違うんだよなー」
ヤブ「こいつ、神に近い存在だ…だけど、違う。」
影夜「ご名答ー!その通りだよ。でもまぁ気づくのが遅いんじゃないのかな?」
蛇火「どういうことだ!」
影夜「どこ向いてるんだい?…よしっこれでokだ」
眸「ありがとう」
影夜「なぁに、当然の事だよ。」
カラス「しまった!こいつは影を操るんだった!!」
ヤブ「影から影に移動したのか…」
影夜「そろそろ、彼の登場だ」
すると、天井が抜け落ち、そこに現れたのは翼の生えた巨大な狼が2人の女の子を乗せていた。
優岐「た、た、助けに来ましたよ!2人とも!!」
飛花里「優岐君、そ、その狼は一体誰ですの!?」
眸「…月…夜?…」
月「あぁ…その通りだ。お前達!生きていられると思うなよ!!」
蛇火「ひ、ひるむんじゃないよ!」
月「実に悪役の言いそうな一言だな」
カラス「だ、黙れ!ふっ、その姿では俺達に攻撃は出来ねぇだろうさ!!」
ヤブ「待て、動くな…」
蛇火「なんで?!」
月「この姿になるのは時間がかかるが戻るのにはかからないんだよな。これが」
ヤブ「そういう意味ではない…誰か来る・・・から…」
カラス「だったら早くしたら」
ヤブ「違う…それは怪異…僕らの仲間になってくれるかも…」
蛇火「そうか!それなら!…?」
???「残念じゃったな…わしは、貴様りゃとは違う…主には忠実なのじゃよ」
カラス「おい、おい蛇火、しっかりしろ!」
一瞬の出来事だった。
何が起きたかわからなかった。
飛花里「き、狐?」
狐鞠「はっ!わしは狐ごときではにゃいわ!狼猫、狐鞠じゃ!!」
眸「狼…猫…?」
ヤブ「お前…僕らの仲間になんてことを…」
狐鞠「ふん、貴様りゃは怪異である事をやめようとしたんじゃ、未練など無いはずじゃろ」
カラス「き、きさまぁ!!なっ?」
ヤブ「お前…だけは許せない!」
狐鞠「何をしておるか?」
ヤブ「なにっ!?き、貴様…何者だ!」
狐鞠「わしの主に手を出すなど…呆れたものじゃ…にゃぁ」
優岐「な、何が起きてるんですか?!月夜さん!!」
月「心配は要らない…敵じゃないようだよ…(なぜ、なぜお前がそこにいる?)」
といいつつも、汗を流している…どうしちゃったの?
影夜「はっはっは、さぞ驚きだろうなー月夜!お前はこの事知らなかったろうからな!!」
???「久しぶりだね…」
すると、向こうの方から声が聞こえた。
諒子「ここです、ここです。確かココです!等々力先輩!!」
等々力「こ、ここか!」
さすが陸上部、息切れ一つしていない…
等々力「助けに…来たよ…?」
諒子「ちょ、ちょ、ちょっと?!コレは一体?」
全く持ってそんな事を聞いていなかったかのように、狼猫の主と思われる少女は、口を開いた。
???「我が操るは、刃と牙のみ。我が刃は悪を斬るためにあり。貴方方を悪と見なして、我は斬ります。」
すると一瞬のうちにヤブを斬った。
ヤブ「そ、そんな…ふっ、でも僕らの仲間がいつかきっと神殺シを達成するはずさ…」
カラス「う、うわあああああ!お、俺だけでも生きるんだ!!」
月「生きて返すはずが無いだろ!」
カラス「や、や、やめてくれぇえ!」
月「ふざけた事を抜かすな!お前達は俺を怒らせたんだぞ!!」
カラス「そ、そんなぁ!」
狐鞠「哀れなものじゃな」
影夜「やつを怒らせたら、大変だよねぇ」
すると、月夜は体をぶるっと震わせて体を縮めた。
そして、まるで人狼の様な姿になった。
月「ウァオーーーーーーーーーーーーーーーン!」
そう鳴くと、一瞬にして、カラスを斬った。
どうやって斬ったかはわからなかったけど…
???「さすがだね…」
この時、私達はまだ気づいていなかったのです。
先輩は自分の無力さを感じてはいましたが、諒子ちゃんに頼られていると感じて悲しみを薄めた。
けど、悲しみは終わったのではなく、これから途方にくれる悲しみの数々の始まりであることを私達は気づいていなかったのです。
月灯「…やっぱり…兄ちゃんは…あの子の事が…私よりも大切なのかもしれない…」

第8話
『少年の悲シミ』
~完~

次回
第9話
『生ト死ノ間ニアル掟』

以上!