新小説プロジェクト(?)第1作品『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第9話
『生ト死ノ間ニアル掟』
後編


???｢ま、待つです!!｣
神には似つかわしくない幼い女の子の声が神聞会に響いた。
月｢ん?｣
??｢待ちなさいっとおっしゃっております。｣
???｢ちゃんと伝わっています!繰り返さずともよろしいです!!｣
??｢申し訳ございません｣
???｢貴方は、鉦鏡　月夜様でいらっしゃいますね。うちの黒羽、宮永　黒羽(みやなが　くろは)がお世話になっております。｣
月｢貴方は?死神の何ですか?｣
???｢わ、私は、死神の姫、伊弉弥　ヘル(イザナミ　ヘル)と言います。｣
??｢私は、デューラと申します。｣
月｢なるほど、で、何をしに来たんですか?｣
ヘル｢その、黒羽をこれからもよろしくお願いしたいと思っております!｣
月｢一緒に宵月　眸を殺せと?｣
ヘル｢へ?そ、そんな命令はしていませんよ｣
月｢じゃあなぜ?｣
デューラ｢一種の口実ですかね。そう、彼女の口実ですよ。｣
ヘル｢そ、それはともかくよろしくお願いします!それと、頑張ってください!幸福を祈っております!!｣
月｢わかったよ｣
ヘル｢ディティスティー…｣
デューラ｢イミー…ですか…｣
ヘル｢…｣
そしてｺｸﾘとうなずいた。
正直意味なんて関係ないしわからなかった…。
わかったのは正直者ではないから彼がついていることだけだ。
月｢それでは本当に俺はこれで…｣

そして、俺はいつもの部屋に帰ってきた。
月｢待たせてすまないね…｣
もう夜遅かった。
月｢ん?…｣
ソファーに誰か寝ていた。
黒羽｢…むにゃむにゃぁ代理ぃちゃんと本当のこと教えてくださいよぉ｣
月｢(お前だって本当の事言わなかったくせに)…ほら…風邪引くぞ｣
全く、死神よりも人間らしいやつだ…
本当は元人間だったりしてな。
縁起でもないことだ…
もう考えるのはよそう…

狐鞠｢いやぁ、面白いなぁ幻狼殿!｣
幻狼｢いやいや、狐鞠殿もかなり楽しいお方ですよ。｣
狐鞠｢はっはっは尾狼殿もなかなか良い飲みっぷりじゃ｣
尾狼｢当たり前じゃこれしき!｣
月｢楽しそうだな…｣
???｢いつの間に来たの?｣
月｢さっきだよ…｣
こいつは透粋　瑠奈(とうすい　るな)、月華様に呪いをかけた張本人だ。
月｢眸たちは?｣
瑠奈｢もう寝ちゃったよ…｣
月｢まだあの狼猫には言っていないのか?｣
瑠奈｢うん。｣
月｢呪いをかけて後悔してるか?｣
瑠奈｢人生に後悔はつき物でしょ。｣
月｢何を後悔してる?｣
瑠奈｢貴方に呪いがかかった事。｣
月｢月華様のことは良かったのか?月灯にも。｣
瑠奈｢良くないわけないじゃない!だってアレは不運な事故で起こったのだから。｣
月｢そうだな。｣
あの事に関して、月灯に話すことが必要かもしれないと思っていた。
そして、眸達にも
闇白｢今夜も月が綺麗だな｣
無屡｢そうですね。兄貴。｣
闇白｢なぜ私を兄貴と呼ぶ｣
無屡｢弱っていたところを助けていただきましたので。｣
月灯｢それで惚れたの?｣
無屡｢惚れたわけじゃないよ、そういうことは断じて無いから。｣
闇白｢よくわからんな。｣
月灯｢そういうことの積み重ねよ、人生は。｣

第9話
『生ト死ノ間ニアル掟』
～完～

次回
第10話
『沈ンダ思ィ出』

以上!

今日の名言
『言葉の多くは過去を示すものばかり、未来を示したければ行動で示せ』

以上!!