牛祭祭文
牛祭祭文(江戸期)
今夜、当寺の堂僧四番、大修羅、誠を二花の嶺よりも高ふし、志を五葉の底よりも深くして、恒例不闕の勤めとして、摩多羅神を敬祭し、奉る事あり。神明を祭るは超福の計ごと、霊鬼を敬ふは除災の基なり。上は梵天帝釈、四大天王、日月五星、二十八宿、七曜九曜、三辰九禽。下は炎魔王界、五道大神、泰山府君、天左宇司命、司録、別而は当所鎮守、三十八所、五所護法、飛来天神、部類眷族、総じては、日本国中の大小の神祇、
(中略)
辻々の道祖神、家々の大黒天神の袋持に至るまで、驚し、言て白さく、夫以れば、性を乾坤の気にうけ、徳を陰陽の間に保ち、信を専らにして仏につかへ、慎みをいたして神を敬ふ。天尊地卑の礼を知り、是非得失の品を弁ふる。これ偏に神明の広恩なり。これに因りて単微の幣帛を捧げ、敬して摩多羅神に奏上す。豈神の恩を蒙らざるべけんや。これによって四番の大衆等、一切懇を抽んで、十抄の儀式を学び、万人の逸興を催すを以て、おのづから神明の法楽に備へ、諸衆の感嘆をなすを以て、暗に神の納受を知らんとなり。しかる間、さいづち頭に木冠を戴き、くはび羅足の旧鼻高をからげつけ、からめ牛に鞍を置き、大まらをすりむいてかなしむもあり。やさ馬に鈴をつけて踊るもあり、はねるもあり。偏に百鬼夜行に異ならず。如是等の振舞を以て、摩多羅神を敬祭し奉る事、偏に天下安穏、寺家安泰のためなり。因之永く遠く払ひ退くべきものなり。先づは三面の僧房の中にしのび入って、物取る銭盗人め、奇怪す。はいふはいや小童ども、木々のなりもの取らんとて、あかり障子打破る、骨なき法師頭もあやゆくぞ覚ゆる。さてはあた腹、頓病、すはぶき、疔瘡、ようさう、まら風。ことには尻瘡、虫かさ、膿瘡、あふみ瘡、冬に向へる大あかがり、並にひびい、がひ病、鼻たり、おこり心地、具つち、さはり、伝死病。しかのみならず鐘楼・法華堂のかわづるみ、讒言仲人、いさかひ、合の中間言、貧苦男の入たけり、無能女の隣ありき、または堂塔の檜皮喰ひぬく大烏小烏の、聖教やぶる大鼠小鼠め、田のうね穿つうごろもち。如此の奴原においては、永く遠く根の国、底の国まで払ひ退くべきものなり。
敬白 謹上 再拝
陰陽師★瀬織津
2009/02/03 23:18:24
ななさま
コメント有難うございます。
牛祭りはここ数年、無いんです。
私が行きたいって想いだした頃から。
早く、復活してほしいです。
なな
2009/02/03 00:22:46
面白そうですね♪
どんなお祭りなんだろう?って思ってました。
行ってみたいな~。
祝詞とかも好きかも。