ひまわり畑を眺める一匹猫

招き猫

猫はただ、風に吹かれながらひまわりの花を観ていました。
まるで懐かしいぬくもりを思い出しているかのように。

少年の夢

恋愛

「私の人生に、君の存在が必要です。」

19歳の時、女性に始めてこのようなセリフを言われた。
楽しいから付き合うとかでは無く、好きだから一緒にいたいでもない。
その人の記憶の中の、決して消す事のできない存在。私にはそんな意味合いの言葉に思えた。

「私の人生に、君の存在が必要です。」

私はその人と少しでも永く、一緒に居たいと思うようになった。
しかし、私のそんな願いは、叶う事は無かった。
五つ年上のその人は既に別の男性と結婚していた。
子供もいた。
苦痛は計り知れなかった。
私には答えを出す必要があった。


19歳の時、私には夢があった。
小さなレストランでコックの修行をしていた。
私には希望があった。
大きな事をしでかしたい。
ビートルズのような・・・。
しかし、私は薄々感じていた。
私の能力では、ビートルズになる事は出来ない。

小さくてもいい、お金を貯めて自分のcafeを持とう。
私はそう考えるようになった。

やがて私の店には、たくさんの若者が訪れる。
そしてカウンターに立つ私にいろいろな話をしてくる。
彼らの話を聞いてあげよう。
そして彼らが悩んだ時、手を差し伸べてあげよう。
私は、ビートルズになる事は出来ない。
しかし、彼らの中にビートルズが生まれる可能性はある。
彼らにとって、必要な存在になろう。

私に重い言葉を残してくれた女性がいた。
私は、その女性の前から姿を消した。
跡形も無く、見事に・・・。
そして、私の中に彼女から貰った言葉だけが残った。

「私の人生に、君の存在が必要です。」

今、どこかの街で、全くの偶然に彼女に会う事が出来たら、彼女は私に気付くだろうか?。
私が先に気付くことが出来たなら、彼女になんて言うだろう。
おそらく、声を掛ける事も出来ずに、涙を隠して通り過ぎるだけだろう。

けして開ける事は無い引き出しの、一番奥にしまったはずの少年の夢。

閉ざされた引き出しの中の少年の夢  雨の夜  アルコールの霧

偶然に、アルコールという名の悪戯者がその引き出しを開けてしまう事もある。

  • 招き猫

    招き猫

    2009/02/10 20:43:43

    KINACOさん
    な~んか、S&Gって言って通じちゃうのが嬉しいっす。
    その曲は「明日に架ける橋」ですね。
    アート・ガーファンクルの歌声、めっちゃ素敵なんですよねぇ~。

    ストーンズ・・・ミック・ジャガーですねぇ。
    まだ定期的に日本に来てくださるところが好きです。
    しかもあのお年で・・・。

    JPOPだとかなんとか、エラソーな事を言ってますが、ルーツはみんなビートルズに繋がると思います。
    やはりすごいんですよ、彼らは・・・。

    モンキース・・・
    何だか若いお兄さんたちが、ドラマに出ていたなぁという記憶しかないです。
    「デイ・ドリーム・ビリーバー」はあまりにも有名な曲になりましたが、ちょっと尻つぼみに鳴ってしまいましたねぇ。

    基本私はがに股でフォークギターを弾いてる派でしたから、やっぱS&Gやボブ・ディランって感じですね。
    あとは・・・みゆきさんかなぁ・・・。

  • KINACO

    KINACO

    2009/02/10 11:04:37

    S&Gはいいね。私のS&Gでお気に入りは、
    「なんとかかんとかトラブルウォーター」。。。なんて題名だっけな。。。
    若い頃は、ストーンズ派でしたが、
    近頃ビートルズはやっぱスゴいかな、と思うようになりました。
    ストーンズは、変わらず愛しますがね。
    んで、モンキースを、ミーハーとは思えないんすよ。
    モンキースは、やっぱいいです。。。世代は、ソウル世代です。
    KOOL&GANG世代ですわ。おんなじ位じゃない?

  • 招き猫

    招き猫

    2009/02/10 08:16:57

    KINACOさん
    う~ん、本当はS&Gの方が好きでした。
    フォーク党なもんで。
    ビートルズは現在の16ビートのポップスの原型のような気がする。
    サザンオールスターズでさえ、ビートルズの影が見えてしまうんですよねぇ・・・私には。

    あ、S&Gはサイモン&ガーファンクルね。

  • 招き猫

    招き猫

    2009/02/10 08:12:45

    廉さん
    いえ、今となってはいい想い出のような気がします。
    ちょっとだけホロ苦いですけどねぇ。。。

    そそ、そういうのやりたかったんですよ!
    見知らぬ若い人が、なんとな~くふらりと来てしまう店。
    それでもお店のマスターが、お客さんを覚えてるんですよ。
    やがて「いらっしゃい、いつものでいい?」
    って感じになって、若いお客さんは何でもマスターに話せるようになる。
    「何かあったらマスターに相談しよう」的な存在。
    それが私の夢でした。
    ま、夢破れし者なんですが・・・。

    廉さん、素敵なお店を知ってるんですね。
    私のお店・・・この部屋が私のお店って事でご勘弁ください。
    夢破れし者なんもんで・・・。

  • KINACO

    KINACO

    2009/02/10 01:19:34

    招き猫さんの【最大級】は、ビートルズなんですね。

  • 廉

    2009/02/10 00:45:14

    素敵な話・・・。
    猫さんにとって、いい想い出とは言い切れないものだと思いますが、
    読ませていただいて、そう思いました。

    私は店運がいいと言われることがあります。
    お店の方が覚えていてくださることが多いです。
    穏やかな方だと話しかけちゃうからだと思うんですけど
    年に数回しか訪れないお店でも、他愛ない雑談でも、
    「また来てくれたのですね」と笑顔を向けられると本当に嬉しいものです。
    ・・・私の話になってしまいましたが、
    猫さんがそんなお店の方だったら、とても素晴らしいなと思います。
    いつか、猫さんのお店に行かせてください。