taro

渓谷への道

日記

遠出したとき帰りも遅くなるが、高速代をケチると一般道を通ることとなる。

辺りも薄暗くなった、まもなく二又の道へと向かう。

右は距離はあるが民家も点々と散らばる県道、左は近道の山道。

左へ向かうことに。

 

     ・・・・忘れていた。

 

渓谷へ架かる橋付近には、変な噂がある。

時折、飛び込み自殺をした女性の幽霊がでるという。

渓谷を流れる川は深さもあり遺体も回収できないらしい、遺体は藻に絡まれているのではとの噂。

 

まさかと思いつつ車を走らせる。

 

橋を通り過ぎルームミラーを見ると「オイデ・オイデ」と手招きをするらしい。

 

まっさか ありえないと思いつつもハンドルを握る手は汗ばむ。

 

ワシが脅えるわけは無いと言い聞かせても、目が泳いでいる気がする。

 

橋を通り過ぎると、何故か「ほっと」した。

 

ルームミラーを覗くとなにもない「何もねえべぇ! わっはははは 」

 

そのとき、スッーと白い物が窓をかすめていった、んっ・・?