小説
ユリ ①「旅」
(1)
ジメジメした日だった。
電車がゴトゴトと揺れる。奴は私に話しかけてきた。
「電車っちゅうんは不思議なもんだな」
黒いコートに「へんちくりん」としか言いようのない黒い帽子、その姿はどう見ても変質者だ。
「え、はぁ……」
その証拠にこの座席には、私たち以外の人間はいなかった。
責めはしない。普段の私なら、同じ行動をとっている。
あとは、無駄に幅を取る、こいつの馬鹿でかいコートのせいでもある。
昨日から体調が悪くて、朝くしゃみが出た。
休もうと思ったけど、母さんは朝から出かけていた。
普通に考えたら休むんだけど、熱ぼったい頭のせいで、
判断ができなくなっていた。
適当にご飯を食べ、くしゃみしながら学校に行く。
家の前の横断歩道を渡るとき、ふと思った。
あれ、なんで子供は学校行くんだろ、って。
まおう
2011/11/02 20:31:54
思う~
よっちー
2009/01/31 12:57:19
初めまして、小説が読めると言うのでとんできました^^
最初の出だしいいですね。
一文から始まる出だしは興味を引かれると共に、始まりがすっきりしていいと思います。
で、一体この変質者・・・じゃなくて、黒い帽子とコートの男は何者なんでしょうか!?
続きがきになります^^