落語
☆くしゃみ講釈
これはもう大爆笑間違いなしの落語です。昔はそこそこ可笑しなものだったそうなんですが、二代目桂枝雀が今のように仕立てたそうです。また、この落語を演じるには講釈師としての話芸も下手ではできない難しさがありますが、それを難なくこなす落語家はさすがに芸人といいたくなります。今では講釈師はほとんど見かけなくなりましたが、江戸時代には落語家と同様に各町内に一人くらいは必ずいたそうで、落語家は師匠と呼ばれるのに対し、講釈師は先生と呼ばれていたそうです。落語家の商売敵である講釈師を話の中でいたぶるという展開も考えてみれば面白いものですね。
【スジ】
講釈師に恨みのある男が、相棒と講釈師を困らせてやろうと相談にくる。
客席でコショウをくすべてその煙を演台にあおぎ上げれば、しゃみが止まらなくなって講釈ができなくなって恥をかく。という計画を二人はねりあげる。
そしてコショウを買いに行くがコショウが売り切れている。そこでクシャミが出るものとして代わりに唐辛子を買い、二人は講釈場に向かう。(ここが落ちの伏線になる)
まさに講釈師が「難波戦記」のいいところにさしかかった時、二人はトウガラシをくすべて煙をあおぎたてる。当然、講釈師はくしゃみの連発で講釈など続けられる状態ではなくなる。作戦がうまくいった二人は講釈師を野次りまくる。
そこで 講釈師は一言
「あいや そこの二人さん。ほかのお客は黙って帰ったのに、あんたがたなんぞ私に故障でもあるのですか?」
「いや コショウがないさかいトンガラシくすべたんや」