-full coller program-

MrζAndy

日頃,生活してると,楽しかったり,辛かったり,
いろんなことがあると思います.でも,どんな時間だって,
「全部自分の色」ってことで,それを楽しんじゃえ!
                  …ってブログですよ?

下北沢南口 ~final chapter~

自作小説

駅へ続く道は、だんだん短くなっていった。
階段の踊り場で、僕はようやく口を開いた。
 

                          「サヨナラ」

弱々しく、か細い声が口から零れ落ちた。

                          「サヨナラ」

似たような声が、口を離れた。
いつもは一緒に登っていた階段を、今は背中を向けて、
僕は階段を下り、キミは登っていった。
ぼんやりキミのうしろ姿を見ていると、振り返ったキミは、
そっと僕に笑いかけた。それは何故だか、
昔のキミの笑顔と重なって見えた。そして、すぐに消えた。
今更、気付いた。僕は、昔の不器用で子供じみた
ふたりの距離が好きだったんだ。
そのことは、少し、大人になってしまったキミには言えなかった。
この想いは、ずっと胸の中にしまって生きて生きたい、
絶対に忘れないでいたい。
僕は、ポケットに突っ込んだカラッポの右手を、
ぎゅっと、ぎゅぅっと無意識のうちに握り締めて、駅に背を向けた。

                                                
                                                                                 END


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