無駄に費やす日々~日常という名の非日常~

透明マリォ

2009年4月5日スタート!
ほとんど更新しませんがよろしくお願いします。
最近は主に小説を載せております。
たまに、自分流の哲学を織り込んでいたりします。
新小説のタイトルと少しの設定を求む!! By狐鞠

新小説第15話中編

自作小説

『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第15話『土地神ト怪シキ少年』
中編

月灯「闇白って言ったっけ?あんた」
闇白「それがどうかしたか?」
月灯「あなた私と一度会ってるよね?」
闇白「そりゃここへくるまで歩き回っていたからな、もしかしたら会ってるかもな。」
月灯「そうじゃなくて、うーん…なんていうかさ、あなた前に影月って名前で通ってなかった?」
闇白「何故それを?…」
月灯「やっぱり…」

再び私たちの番、そう、無屡姉と一緒の眸です。
無屡姉が何かの臭いを感じ取り、臭いの元へと駆け寄っていた。
もちろん、私も。
無屡「ここ…おや?居るはずなんだけどねぇ…ここに、獣じみた臭いの主が」
でも確かにココに来た瞬間空気が重くなった気がする。
空気…そう、ここにいるのは空気なんだ!と思ったけれどそれはすぐに裏切られた。
?「おい、お前らそこで何しとる?」
それだけでココの空気は砕けた。
例えるなら先ほどまで私たちに向けて威嚇をし続けていた狼が主人の声を聞き、そちらに向かうことで安心しようとしているような…
?「おいおい、ココは神聖な土地神様の隠れ家だぜ?ちなみに俺がその土地神、月吉町日野町東区(ひのまちひがしく)を統べるヒノガモミさね。」
??「おい、ヒノ、飯…」
ヒノ「はいはい、あ、こいつは最近住み着いた奴でな、名前はいらないとか言ってるんやけど、どないしたらええやろ?」
??「飯…」
ヒノ「わかってる分かってる…ほら、ねずみ採ってきたさかいに食え」
普通の人ならこういうの嫌がるんだよね…?ここにいるの皆うまそうな顔してるよ
私もだけど…
??「」むしゃむしゃ…
眸「か、可愛い…食べてる姿…」
無屡「確かにほほえましいね」
まずありえない反応だと思うけど…
こういうの感じ取ってるってのはちょっと私も人間としての経験値があがったのかな?
??「…人に見られるのは好きじゃない…」
無屡「か、可愛い!!」
無屡姉はぼろぼろの男の子に抱きついた。
??「…いい匂い…」
男の子がボソッと言った。
聞こえていただろうけどスルーしている。
ヒノ「こいつの名前どうしようかねぇ…」
??「名前なんて要らない…僕はもう人間としての存在価値を失ったから。」
私は何も言えないでいた。
だってそれがどういう意味かよく分からなかったから。
ヒノ「じゃぁかしいわぃ!わしはただお前の名前をつけたいだけじゃあほぅ!!」
??「…憐…それが俺の名前…だからつける必要ない…」
ヒノ「悪いが、その名前は捨てた名前やろ?そんなもんで呼べるかあほ」
??「でも…」
無屡「人の厚意は受け取るべきよ…それにあなたの声聞こえたもの…一人は嫌だっていう声が…」
??「そうか…やっぱり狼は騙せても妖狐は騙せないか…」
ヒノ「言っとくけど、お前は一人ちゃうねんで?」
??「そうか、このお姉さん達が僕を引き取ってくれるのか…」
ヒノ「違うがな、わしがココにおるやろ?」
??「うん…ヒノ、お前は僕が人なのに良いのか?怪異や神の部類じゃないのに良いのか?」
ヒノ「何変なこといってんねん、わし、お前と出会ったとき、お前普通の人間な癖にわしが見えとったやろ?」
??「だけど…」
眸「私も見えてるんだけど…」
??「お前は幻狼に育てられたから…見えたのだ…」
眸「やっぱり、おじいちゃんはすごいんだね」
無屡「今まで気づかなかったの?」
ヒノ「ところで何しにきたんや?お前ら…あっ!思い浮かんだぞ!!」
??「…何が?…」
相変わらずぼそぼそ声だ
ヒノ「九!」
??「それがどうした?」
ヒノ「お前の名前だ!!」
九と名づけられたその男の子の顔は少し赤くなっていた気がする。
無屡「良い名だ、狐みたいな名前だね…」
九「土地神に名をもらったということは晴れてココの住人と言うことか…?」
ヒノ「まぁそういうことだな」
九「でも人間のままなんだな…」
ヒノ「お前は人間と言う名の他人を見たことがあるのか?」
九「あるわけない…」
ヒノ「だろ?」
九「だが、同じ漢字で違う読みをするやつがいた…」
ヒノ「何?」
その瞬間、私の世界から音は消えた。

続く

今日の名言
『命ってのは、限りがあるから価値があるのだよ。』

以上!