無駄に費やす日々~日常という名の非日常~

透明マリォ

2009年4月5日スタート!
ほとんど更新しませんがよろしくお願いします。
最近は主に小説を載せております。
たまに、自分流の哲学を織り込んでいたりします。
新小説のタイトルと少しの設定を求む!! By狐鞠

新小説第15話後編1

自作小説

新小説プロジェクト(?)第1作品『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第15話『土地神ト怪シキ少年』
後編1

人間らしさを得ようとした。
でも無理だった。
化け物と呼ばれるが、人間でしかなかった。
ならいっそ化け物になろうと思った。
でも、勇気が欠けた。
そんな時、親父から最低な一言を聞いた。
「お前は私の跡継ぎだ」
その意味は理解できた。
僕のせいで、兄さんは二人とも死んだ。
だから化け物と呼ばれるようになった。
二人は勝手に死んだんじゃなかった、だからさっきのは訂正。
僕が殺したんだ。
だから化け物―
人を物の様にしか見えないから。
だから化け物。
それでも、こうだからこそ、僕は絶対に後を継げよと言うことだった。
嫌じゃなかった…初めの内は…
でも、いつしか周りの目はさらに僕を批難するようになった。
そして、化け物から死神と呼ばれるようになった。
理由は僕と仲良くしていた子がいじめの対象になって自殺したから。
友達は居なくなった。
親父は僕を親戚に預けた。
理由は僕を…
守りたいから。

僕は守られた、前のいじめから。
でも、新しいいじめが僕を襲った。
そして、僕は屋上から突き落とされた。
あぁ、死んだなって思ったさ。でも、死ねなかった。
化け物…だったから。
気付いたときにはもう僕は人を憎んでた。
でも親父だけは憎めなかった。
親父に会いたい…もう一度会って話がしたい。
母さんの写真を見せてほしい。
家族全員の写真を見せてほしい。
化け物じゃない頃の僕が見たい。
人間でいたいんだ。
でも、最悪の知らせがやってくる。
「君のお父さん、この病院に駆けつける際に…交通事故で亡くなられたよ。」
その時、同情している口調ではなく機械のように淡々とした口調だった。
当たり前だ、同情なんてしちゃいない、だって僕は化け物だ。
化け物に、同情なんて不要さ。
でも、人間なんだよ。
僕は今までもこれからも人間なんだよ?
親父なら期待通りに答えてくれると思う。けど今は居ないのだ。もう居ないのだ。
ごめんね、父さん、僕こんなのでごめんね。
そして、僕はこの町にやってきた。
本当の化け物になるために…

九「なぁヒノ、僕のことどう見える?」
ヒノ「そうやなぁ、ただの可愛い男の子、かなぁ」
そういつも九は聞いてくる。
ヒノ「せやけどなんでそんなこと聞くんや?」
九「嫌われたくないから…」
そう、こいつは大変な思いをした。そやさけ誰にも嫌われたくないし、誰にも過去を触れられたくない。
それに今こいつには俺しかおらん。
わしはこいつにはヒノと呼ばれてる。
せやけど他の連中には
ヒノガモミ、もしくはヒノモガミと呼ばれてる。
なんか名字で呼ばれてるみたいで気分がいい。
友達みたいで。
九「僕はヒノが好きだ。だから、君だけは僕を嫌わないでほしい。」
なんだこの告白じみた台詞は…でも、うつむいているのでなんだかそういうことを言うといけない気がした。
九「あ、告白みたい、って言われても僕わかんないから。」
先に言われてしまった。
九「あ、そうだ、僕、ちょっと用事があるから、さっきからそこにいる二人と話しといて。じゃ。」
ヒノ「愛想もこいそも無い奴やなぁ」

続く

今日の名言
『君だから好きなんじゃない、君だけどこの世で一番好きなんだ。』


以上!