新小説プロジェクト(?)第1作品『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第15話『土地神ト怪シキ少年』
後編2

ヒノ｢すまんすまん、ちょっと九と相談しててな｣
眸｢九君、嫌がってたんですか?｣
ヒノ｢いや、そうやないんや、ちょいと用事があるらしいてな｣
無屡｢ちょっと、気になってきたなぁ、眸、後お願い｣
眸｢は、はい…｣
ヒノ｢話があるんやろ?｣
眸｢はい…｣
無屡姉が出たのを見計らってヒノガモミは口を開いた。
ヒノ｢ほな話そう、呪いについて、そんでもって、東西南北四勢力とここについてや。｣
眸｢ありがとうございます。｣

無屡｢一体九どこに居るのさ…嫌な予感がしてならないよ｣

九｢…誰だ、そこにいるのは…狐の匂い…追っかけてきたのか?｣
??｢違いますよ、僕はあなた様を迎えに来た、狐尾十(きつねびと)と申します。｣
九｢知らない…｣
狐尾十｢あなたが知らなくとも僕は知っているんですよ。｣
九｢じゃあ親父のこともか?｣
狐尾十｢えぇ、もちろんですとも、彼は、元々鬼の血筋を持っていらっしゃいましたから。｣
九｢だから僕のことも…｣
狐尾十｢そうです、化け物同士だから分かり合えたのですよ。｣
九｢悪いが、分かり合えてなんかいないよ…｣
狐尾十｢まぁそれはどうでもいいことです。さ、こちらへ｣
九｢やだと言ったら?｣
狐尾十｢あなたの大事な人を無残に殺していくだけです。｣
九｢そんな奴はいない…｣
狐尾十｢いらっしゃるはずですよ…必ず。｣
九｢そ、そんな奴いねぇよ!｣
その時、思い浮かんだのはヒノの顔だった。
あいつはいい奴だ…
あいつにだけは嫌われたくない…
そして、僕の始めの目的。
化け物になること…こいつなら…と思ってしまった。
そこをつかれてしまった。
ぼ、僕は…
なんて謝ったらいいのだろう…

ヒノ｢話はこれでおしまいだ、それにしても、さっきから気配を追っていたんだが｣
眸｢はい?｣
ヒノ｢九の気配を追っていたけど、気配が消えて、最悪の気配が現れた。｣
眸｢そんな…｣
?｢クゥーーーーーーーーーーーーーーーン!!｣
眸｢何?｣
ヒノ｢くっ、動き出したようだ…｣

無屡｢あ、あれは…きゅ、九尾!｣
狐尾十｢六狐か…この裏切り者が…｣
無屡｢あんたに言われたくないわよ!狐尾十!!｣
狐尾十｢覚えていたのですか…これは意外｣
無屡｢あんたを忘れられるはず無いでしょ、最悪最低の狐、十の尾を持ってして理性のかけらも無い…｣
狐尾十｢理性ならありますよ…これが僕の理性がよみがえらせた。九尾様だ｣
無屡｢九の匂いと同じ…道理で懐かしい匂いだと思ったよ。｣
狐尾十｢どうして彼は化け物となったか知ってますか?小さな三つの尾が見えたかららしいですよ｣
無屡｢自然に九尾になれたはずじゃないの?｣
狐尾十｢残念ながら、彼の心はとても強くてね、九尾の力を封印していたのですよ。｣
無屡｢許さないよ…絶対に!｣
狐尾十｢我が妹の癖に兄に逆らうのですか?｣
無屡｢主人を救うほうを優先させてもらうよ。｣
九｢グゥーーーーーーーーーーーーーーン!!｣
九(ダメだよ…来ちゃダメだ…)


第15話
『土地神ト怪シキ少年』
～完～

次回
第16話
『狐啼キたるマデ』

以上!

今日の名言
『自分が世界の中心にいたらって思いたくなることってあるよね』

以上!!