今日は教会へ。
あ、当然のことながら俺は独り者なので、
結婚式などではないわけですよ。

朝からうるさい女の子たちの相手をし、
昼間は大学生の男の子とそうめんの大食い大会をし、
午後はキャンプに向けてのバンド練習、と。


そこで思うことがいくつか。
非常に残念なことに、まもは2歳からピアノをいじり、
クラシックからメタル、演歌にまで造詣があるわけで。
いろんな音楽理論から感覚的なものまで
音大生の足元くらいの知識と教養があるわけですよ。

で。
いや、奏楽でこういう理論とか振り回すのは
無防備な市民に対して棍棒で殴りかかっているのと
大差ないことなのかもしれないけど・・・。
本気度や興味・関心・知識があまりにも足りない気がする。

メンバーに中学生が混じっているから、
彼らに凶悪なまでの理想論は押し付けるつもりはないけど、
いい年したメンバーでそういうのがないのもどうなのかと。

”最高のものを”とクチでは言うものの、
”最高のもの”を準備することは望んでないんだよね（。。

ギタリストはいいよ、勝手に自分で好きな楽器買って、
自分の好きな音作ってやってればいいみたいだし。
でも、その他メンバーのことまで幅広く考えるのが
バンマスの役割ではないんだろうかね・・・。

今回は俺はベーシストとして参加するから、
あえて何もエフェクティブなものは使わないようにしてるけど、
その分の労力を他のメンバーのケアに割いてる。
ドラマーが何か叩き心地が悪いといえば位置調整をし、
キーボーディストが鍵盤が硬いといえば別の機材を準備し。

が。
バンマスは自分のペースしかわからないらしく、
”調整なんてどうでもいい”
”別のキーボードなんて邪魔、いらない”
と。
・・・。

いやー・・・そこはわかろうよ・・・
俺よりもふた周り近く違うんだから・・・。
うまいのは知ってるけど、楽器の周波特性とか
メンテナンスとかまったくわかんないんでしょ・・・。

”これは礼拝なんだ！”
はいはい。”ロートルの”が抜けてるよ。
”ディストーションかけすぎで聞いてて疲れるんだよ”
あー、原曲の音拾ってんですけど。
”原曲より雰囲気なんだ、まとまりなんだよ！”
いえ、音をシンプルにまとめるとロックになりますけど何か。
っていうか、いつもドラムを置き去りにしてるのはあなた。


解散するバンドの気持ちがわかる昨今。
それぞれのよさが認められないメンバーは
やっぱりダメなんだと思う。
惰性で続けるバンドならそれもいいと思うけど、
切磋琢磨、楽しんでやるなら相応の人間とやらないと
音楽そのものが嫌いになりかねない。

基本的にギタリストにワガママが多いのは、
伴奏も合奏もできるその楽器の特性にある気がする。
”俺がやってやるよ”的な。

でも、バンドってそういうものじゃないんだよね。
ドラムがいなければリズミカルなノリは生まれないし、
ベーシストがいなければ、底を支える音がなくなる。
そこにキーボーディストが彩りを添えてるわけで、
役割がまったく違うものであることを認識しなくてはならない。

”キリストの体の一部”とたとえられるように、
手は足の代わりはできず、目は耳の代わりはできない。


少しズレるけど、
会社の組織論でも、情報の見せ方というものがある。
最上層の人間には経営に必要なごく一部の情報だけを与え、
最下層にはもっとも幅広い情報を提供し、そこでの情報は
上層部には見えないようにする、というもの。

つまり、発言力、発信力を最下層に集中させることにより、
より多様な感性、見方、方法論を見出すことができるらしい。
そして、余計な情報をマスクすることによって、
よりスムーズに経営を行うようにできるメリットがあるそうだ。

もとより発言権の強い人間は、周りに耳を貸すことが難しい。
それが災いして貴重な意見をつぶすことさえありうるのだ。


感性的なものは年齢、キャリアを問うものではなく、
あるものにはあるし、ないものにはない。
身につくものでもなく、もって生まれたものだ。
影響されることはあっても、根底から覆るものではない。


底が知れたな、今の音楽環境。
俺は音楽は一緒に作りたいのだよ。
今年度でおしまいにすることにしよう。

俺の音楽は自分を鼓舞し、みんなを鼓舞し、
弾く人間も聞く人間も双方で作り上げるものとしてる。
俺を通してそういうものが見えないのであれば、
そんな音楽は塵芥に過ぎない。

俺が俺らしい音楽を奏でたとき、
多くの人間がそれに共感してついてきた。
それが現在の教会であり、キャンプだ。

たとえ正論であろうと、振り回して押し付ければ
単なる凶器と変わらない。
じゃあ、お前は間違いを犯したことはないのか、
勝手なこと言われたときにどう思ったか忘れたのか。


見定めてやるよ、俺の考えがどう扱われるのか。