☆皿屋敷
そろそろ怪談のシーズンです。落語にも怪談を取り入れたものが多くありますが、その一つを取り上げました。また、この落語は上方と東京でちょっとスジが異なっています。さらに、素になった話しが「播州」か「番町」かで話題になることも多いそうです。
【スジ】
伊勢参りの旅先で姫路に伝わる怪談「皿屋敷」を知らなかったばっかりに、馬鹿にされた若者たちが、その怪談の現場に出かけて、実際に幽霊を見てみようということになる。
その怪談というのが、有名な美人の幽霊「お菊」のことである。
“播州姫路には皿屋敷があって、青山鉄山が住んでいて、お菊がその屋敷に奉公していた。
お菊は器量好しで鉄山が口説いたが、夫がいる身なので、何度口説いてもうんと言わない。とうとう、鉄山はお菊を逆怨みするようになる。
鉄山は10枚揃いの「葵の皿」をお菊に預け1枚隠してしまう。それを知らないお菊は、鉄山の指示で皿を数える。お菊が皿を数えるとどうしても9枚しかない。「お前が盗んだのだろう?」と責めたてて切り殺して井戸に死骸を捨てた。
その後、お菊は毎晩、幽霊になって井戸から出てきて「1枚2枚3枚・・・・・・・」と数えるようになった。そのお菊の幽霊が今も毎晩出る。“
若者たちは大勢で見物に行き、井戸から出てきたお菊に会うのであるが、なんと「1枚2枚・・・10枚11枚・・・・18枚」と18枚まで数えた。
「なんで仰山の皿の数をよんだんじゃ?」
「二日分よんどいて明日の晩休みますねん」
※「播州皿屋敷」と「番町皿屋敷」
タネ明かしをすると、16世紀ごろにできた浄瑠璃・播州皿屋敷が素の話しになっています。これを大正の頃に岡本綺堂という人が戯曲としたため、東京では「番町皿屋敷」が一般になったそうです。
ところで、播州とは今の姫路あたりのことで、姫路城には今でも「お菊井戸」があります。ただし、このお話しも架空の物語だそうで、城主・赤松氏が築城のときに作った「菊の井」が、後々物語と結びついたそうです。
夜露死苦!!!
2010/08/09 13:49:35
ながかった・・・