夢日記1/2
マンション・・というか団地の、
見知らぬ人の家のドアを開ける。
鍵はかかっていなかった。
音もなく開く扉。
忍び込む。
60cmほどの短い廊下を進み、
広い部屋に入る。
そこには見知らぬ夫婦が布団を並べて眠っていた。
起こさないよう、そっと部屋の右側を歩き、
音もなく襖のような軽さの引き戸を開け、
奥の部屋へと体を滑り込ませる。
そこは広い調理場のような部屋だった。
少し先へ進むと、銀色の台があった。
台の上の窓枠は外に繋がっており、窓はない。
ここで食べ物でも売っていそうだ。
と考えていると、見知らぬお兄さんが、
「はい、今日の分」とばかりに
ウズラの卵より少し太めの卵を20個ばかり
台の上に、じかに置いていった。
3個ばかり床に滑り落ちていく―
1個はどうにか落ちる前に手で受け止めたが、
1個はそのまま落としてしまい、
もう1個は手から滑り落ち、ヒビが入ってしまった。
ほんの少し凹んでもいる。
受け止めた卵を台に置き、
落ちてしまった卵を見てみると、割れてはいるが、
中の黄身や白身はちょうど殻の中にあって使えそうだ。
受け止めそこなった方の卵を見ると、
なにやら動いている。
まさか・・・と思い、台の上を見てみると、
次から次へと、卵からマンガの絵のような
ふざけたヒヨコが孵っている。
視線を下に戻すと、ちょうどヒヨコが
卵から出てきたところだった。
「割れた卵はヒヨコじゃなかったのに・・」
と思いつつ、そのヒヨコを台の上へ、
他のヒヨコと一緒にした。
マンガだと活字になるからかは知らないが、
ヒヨコたちは鳴き声をたてず、静かなものだった。
なんとなく台の上の、これから孵りそうな
ヒビの入った卵を手に乗せて見る。
ヒビから灰色とも銀色ともつかない毛が・・
・・・・・ん?毛?
見ていると、銀色の体毛に灰色の縞模様の子猫が出てきた。
いかにも猫らしい顔をしている。
取り敢えず、卵から孵った(?)ので
台の上に乗せてみると、早速ヒヨコを襲い始めた。
慌てて首根っこをつかみ、台から下ろした。
台の上に視線を戻すと、
また卵から似たような子猫が出てきた。
ヒヨコが襲われないよう、前足の下から持ち上げ、顔を見てみる。
なんだか優しそうな、可愛らしい顔をしている。
落ち着いてもいるようだ。
この子猫なら大丈夫な気がして、
台の上に戻してみた。
子猫は大人しく座っている。
と、そこに白猫が現れた。
子猫たちの親だろうか、なんて考えていると
ヒヨコを襲い始めたので、ヒヨコたちを腕の中に抱え
別の場所に移そうと、さっきの引き戸の方へ戻る。
引き戸を少しだけ開け、そこからヒヨコたちを逃がしていると
白猫がやってきて、1羽食われてしまった。
慌てて白猫の首根っこをつかみ、部屋の奥へ行き、
そのまま左へ、更に左へ、ヒヨコたちを逃がした引き戸が
同じ壁の左側にあるが、食器棚のようなもので見えなくなった
右側の引き戸のところまで来た。
引き戸の向こうは夫婦の眠っている部屋だ。
引き戸の手前には大量のラスクが並べられたケースと、
ミルクの入った、私の腰くらいの高さで、
ふちが40cmくらいの大きな水瓶がある。
私は思わず、白猫をつかんだ手とは逆の手でラスクを1枚取り、
ミルクに半分ほど浸してから食べた。
サクサクとして美味しい。
これからどうしようか、と一瞬思ったが、
他にこの家ですることもないし、
白猫をここに置いて逃げようと思い、
その前にラスクを片手で2枚取り、1枚を
さっきと同じようにミルクに浸して食べた。
さっきはサクサクしていたのに、なんだかしけったような感じがした。
もう1枚を手にしながら引き戸を自分が通れるくらいに開け、
白猫を軽く部屋の奥の方に投げ、
体を向こうの部屋に滑り込ませ、引き戸を閉じた。