新小説プロジェクト(?)第1作品『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第16話『狐啼キたるマデ』
part4

優岐｢こちら、綾津路　優岐。異常は特にありません。｣
??｢そう…、ありがと。しかしあれだね…月が月の監視を依頼するなんて…｣
優岐｢約束通り、黒河　美弥子と会わせてくれるんですよね?｣
??｢死人は会わせる事は出来ない…｣
優岐｢約束が違う!｣
??｢君はそれよりも会いたい人がいるだろ?自分が会いたい人間にしか会わせられない…月にはお見通しだよ…どんな人間の心だろうとね…神の心は分からないけど…｣
そうだ…私には他に会いたい人がいる…
??｢すぐに会えるさ…彼がシナリオに反する行動を起こしたら報告すれば良い…｣
優岐｢そういえば、鉦鏡　月音(かねかがみ　つきね)さんでしたよね…｣
月音｢そうよ…｣
優岐｢どうして、彼を監視するんですか?彼との関係は?｣
月音｢そうね…保護者って所かしら…でも、会ってはいけないの…そういう関係でね。彼を監視する理由は簡単。｣
優岐｢何ですかそれは?｣
月音｢同じ女なら分かるでしょ?乙女の特権って奴よ…｣
優岐｢あのっ!わ、私にはよく…｣
月音｢そのうち分かるわ、とりあえず朗報をプレゼント。｣
優岐｢はい…｣
月音｢実は、土地神が何か知ってるみたいよ。｣
優岐｢その情報…古いですよ…｣
月音｢あら、もう見つけちゃってるの!?すごいじゃない。｣
優岐｢狼は鼻が利くからだそう。｣
月音｢まさか、その場に居るのって…幻狼じゃ無いでしょうね!?｣
優岐｢違いますよ、ここにいるのは…えーっと…白蘭です｣
月音｢なんだ…幻狼じゃないのかい…｣
優岐｢がっかりしました?ところでなぜ眸さんのお父さんを知っていらっしゃるんで?｣
月音｢がっかりなんかしてないけどさ、幻狼は私の好敵手だったのよ。｣
優岐｢うそぉ?!そうだったんですかぁ?｣
月音｢えぇ、とにかく今は土地神最優先だから、お願いね｣
優岐｢了解｣
白蘭｢どうだった?｣
優岐｢土地神最優先だそうだ｣
白蘭｢なるほど…というわけだ、｣
土地神｢とりあえず縄解こうか?｣
白蘭｢無理、とにかく無理。なんていうか解けない…解けないんだよぉぉぉぉ!!…ｸﾞｽﾝ｣
土地神｢分かった、解かなくていいから、泣くな。｣
優岐｢とりあえず、お名前から聞きましょうかね?｣
土地神｢…俺は…この月吉町影名嘉町上区(かげながちょうかみく)を統べる者、カナゲシだ。｣
白蘭｢うむ、よう言うたな…｣
カナゲシ｢どうして…上から目線なの?この子?｣
優岐｢で…知ってるんでしょ?アレのこと…｣
カナゲシ｢解けるか?｣
優岐｢出来るけど…｣
カナゲシ｢なら喋ろう…｣

続く

今日の名言
『ありがとう　その言葉が　目に染みる』(何故に、565?!

以上!