「ぼたん①」
「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
不意に晴隆が口走った、そんな木曜日の午後。
『ぼたん(美人は三日で飽きる、)(らしいね)』
定期的に訪れる嬉しくもなんともない高校のテスト開催日二日目。
私と晴隆は公園のぶらんこに腰掛け、やることなしに佇んでいた。
シーソーにぶらんこ、それからすべり台という公園として一般的な機能を持ち合わせるほぼ四角形の敷地内にいるのは私とこの腐れ縁のみ。平日の正午を半分ほど過ぎたくらいの時間帯なので、人気は皆無だ。普段の利用者である子供やその母親らの姿や喧騒は見当たらない。
お互い通学用のカバンを支柱の脇に置き、ゆらゆらとぶらんこに揺られていた。見上げた青空の、ペンキの刷毛でサッと白い絵の具を広げたような薄い雲に残暑の中の秋を見つけた。隣の晴隆も私とやってることは大して変わらず、ガムを噛みながら呆けた顔して空に視線を合わせていた。
このまま二人で最近早くなりつつある日暮れを迎えるのかー、と深く考えない脳みそで思うと、私の名を呼ぶ晴隆の声に胸をときめかせのこのこ付いて行った帰宅途中の自分を殴りたくもある。
けれど反対に、晴隆がいるならぶらんこの上で夜と朝を迎えても別段構わない気がした。むしろ良い思い出になるんじゃないのかな。寝るときはちょっと辛そうだけど。
ぐだぐだと堂々巡りの判断を続けていれば、割り込んできたのは晴隆の平坦な声。
なんの脈絡もなしにいきなり美人を形容する常套句を口にした。
「つまり、何が言いたいの?」
思考回路が全く読み取れず、発言の意図を問う。
花といったら眼の前の小さな花壇に可憐に咲く秋桜だけ。
そう言えば、菊の節句が少し前にあったんだっけ?
とにかく、晴隆の真意が見当たらない。考えの窺えない晴隆は一度ガムを膨らませ、パチンと割った。
能天気なマイペース野郎は唇の周りに張り付いたうす紫色のガムを舌先を器用に使い口に戻してから答えた。
いつのまにか、二人ともぶらんこを漕ぐのをやめていた。
***
部活での作品。
無駄に長くて字数オーバーした。
切る。
ヨネ
2010/10/03 16:15:45
咲月>
上級者って言うか根性ある人向け。
一文が長くて作者本人が読んでてやんになる。
咲月
2010/10/01 22:36:08
お前の小説は上級者向けやなww
なんか考えさせられる