TAKEのつぶやき

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TAKEのつぶやき

☆池田の猪買い

お笑い

これは結構古くからあるネタで、落語の元祖と言われる露の五郎兵衛がこの原型ともいえる小咄をしたと記録にあるそうです。また、上方落語には旅ネタと呼ばれるものがあり、伊勢参りのネタは「東の旅」、金毘羅参りは「西の旅」等になるそうですが、そういう意味からすれば、このネタは「北の旅」になるのでしょう。そして、いくつかの上方落語は江戸(東京)に流れていったのですが、このネタは池田の地名が出ること、元祖の露の五郎兵衛が考案したネタということもあったのでしょうか、今でも上方のみの落語になっています。池田とは今の大阪府池田市のことで、現在では電車ですぐに行けるところですが、その昔は池田まで歩いていくこと自体が「旅」だったそうです。因みに池田市内で猪を見かけることは、今現在ではないそうですね。

【スジ】
ある男が、体が冷えて困るので何かいい薬はないか?と横町のご隠居に尋ねると「シシ(猪)の肉」を食べると身体が温まるが、肉屋で売っているような古いのではだめで、撃ち殺したばかりの新しい肉でないと効き目がないと教わる。その男はご隠居の分も一緒に買いに行くため、教わったとおり池田の狩人の所に歩いて行く。(このあたりの二人のやり取りが結構面白い)
池田は大雪だったがやっと狩人を探し、狩に引っ張り出す。ようやく、雪山の中で雌雄二匹のシシを発見する。柔らかい肉の雌がいいか?大きい方の雄を撃つか考えがまとまらず、決めかねているうちに、狩人は雄を討つ。(このあたりが最も面白いでしょう)
弾は実際に当たっていなかったのだが、そうとも知らず倒れたシシの近くまで行って、「これは新しいか?」と尋ねる男。狩人はあきれてしまい鉄砲の台座でシシを叩くと、鉄砲の音だけで気絶していた猪が、息を吹き返して逃げだしてしまう。
それを見て狩人は、「ほれ見てみろ あんなに新しいわい」