日記ダイアリー徒然草

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ユリ01「旅」

(9)

私はゆっくり立ち上がり、奴のあとを追った。
飛行機は本当にあるのだろうか、ふとそんな疑問が頭をよぎる。
あり得る。私がこいつと会ってからまだ二時間もたっていないが、
催眠スプレーを吹きかけたこいつなら有り得る。
でも、待たせてるって?私は大型の旅客機にしか乗ったことがない。
けれども、待たせているってことはそんなわけないだろう。
頭がくらくらしてきた。さっき打ったところがジンジンと痛む。
奴は私のことを許してくれたのだろうか。
小型機かな、待たせてる、ってことはつまり他にも人が?
あれ?なんだか変な感じ。空が下に見える。
空が下で
あははは。そんじゃあ私、どこに立ってるんだろ。
ど こ に た っ て る ん だ ろ。

揺れが心地よい。
このままいくらでも眠れそうだ。
でも、もう時間だから。起きなきゃいけないから。