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ラト

なに描こか?なに伝えよか?

北の少年 激闘編 5

自作小説

このお話は、友人のリクエストにより、篠原烏童さんの作品から共生獣の設定をお借りしています。ファンの方で不快に思われましたら、お詫びいたします。

長文なので嫌なんです~の方はスルー推奨^^;


砂丘の頂に弓をつがえて待機していた弓隊が、ラルムの号令とともに弓を放つ。
ヒュンという音がして、矢が唸りをあげて綺麗な放物線を描いた。
その周りをいくつもの半透明の影が囲んでいる。
影の動きが追い風となり、放たれた矢の射程を数倍に伸ばした。
駱駝を疾走させていた盗賊団の最前列に、風の精霊が運んだ矢の群れが襲いかかった。
足や胴、首を射抜かれた駱駝と人間がその場に倒れ伏した。
その後を強い風が吹き抜けていく。
紅い血しぶきが、風にのって夜空に散っていった。
盗賊団は、その場で立ち往生して大混乱となった。
倒れた駱駝に巻き込まれて、その場に倒れこむもの。
急停止できなくて、地面に投げ出されるもの。
そのまま、前に走りぬいていくもの。
駱駝に、急な方向転換をさせて逃げようとするもの。
「落ち着け、落ち着きやがれー野郎供!!」
リーダー格の幾人かが、大声で叫びながら、浮き足立った者をなだめようとする。
だが、混乱にのまれた駱駝は興奮して鳴き声をあげるばかりだ。
そこに、第二の矢の群れが襲いかかってきた。
このために盗賊団の混乱はさらに酷くなった。
「畜生め、気づいてやがったか!」
少し離れた場所で、部下の盗賊たちが混乱に陥った姿を見つめて、首領の男は歯噛みした。
「斥候の報告じゃ、寝静まっていたんじゃねえのか、隊商の一味わよ!」
「へぇ、そのように言ってましたぜ。若…いや、お頭」
傍らの中年の男がそう答える。
「嘘の報告をしやがったのか!無能者が!」
盗賊の首領はまだ若い男だった。
砂よけの布を巻いた間から、凶悪そうな三白眼が覗いている。
今は怒りと悔しさでぎらついた鋭い眼光をはなって、更に凶悪さを増しているようだ。
「いったん、出直したほうがいいじゃありやせんか?」
中年男の進言を、首領は睨みつけることで却下した。
「引き下がるなんてことはしねえ。赤毛の小僧が持っている短剣を手に入れるんだ」
(そうして短剣をあの方へ渡したら、俺はお貴族様よ。ケチくせえ盗賊団とはおさらばしてやる)
そう心の中で考え、首領は自分の駱駝の手綱を引いた。
「野郎供、こんなことで怯むんじゃねえ!このまま突き進め!」


「弓隊!もういい。そのまま待機だ!」
ラルムは弓矢の先制攻撃が功を奏したのを確かめてから、そう命令を下した。
そのまま頭をめぐらし、準備を整えて待っている傭兵達を見渡した。
5名とも武装を整え、いつでも出撃できるぞと顔が語っている。
どの傭兵の目にも、恐れの色は無かった。
「弓隊のおかげで、敵の数がだいぶ減った。ここから突撃をかけてさらに数を減らす。そのまま追い込んで。ここで向かえうつ隊商の連中と連携して挟み撃ちにするぞ!速さが勝負の分かれ目だ。気を抜くんじゃないぞ」
「おおっ!」
「よし、各自、馬に騎乗しろ。。行くぞ!」
傭兵達は、ラルムの命令に従い、素早く行動に移った。
それぞれの馬に騎乗して、ラルムの周りに集まる。
「行くぞ」
男たちは無言のうちに、まだ混乱している駱駝の群れに向かって駆け出した。
1人残った傭兵ジェンは、てきぱきと指示を出しながら、隊商の人々をあちらこちらに配置していった。
伝令を出して、砂丘の弓隊には盗賊団を上から狙い撃つように命令した。
戦うことができない人々は、メルガを中心として中央の荷物や家畜で囲んだ場所になるべく低い態勢で固まっているようにさせた。
隊商の主ケニスも、武器をっとってジェンの指示に従っている。
ここまで済ませた後、ジェンは魔法使いとロヴにこう問いかけた。
「メルガ様たちに風の守りの魔法をかけられるか?できたら弓の攻撃を気にする必要がない。どうだ?」
「できるともさ、ジェン殿。この少年の力を借りたらここの全員にかけることもできるぞ」
魔法使いはロヴを指し示して、人の悪い笑みを浮かべた。
「この坊主は、まるで無尽蔵の水甕のようなものじゃよ」
「できるんだな?」
ジェンの問いは簡潔だ。
「任せなされ」
心強い魔法使いの答えに、ジェンは視線をロヴに移した。
ロヴは真摯な態度で、ジェンに答えた。
「大丈夫、やります」
「よし」
ジェンはきびすを返して、ケニスの元へ走っていった。
そうしている間にも。ラルムを先頭に疾駆する傭兵達と、まだ混乱気味の盗賊団は砂漠の真ん中で邂逅していた。
ラルムは腰の長剣を抜いて、一声叫んだ。
「かかれ!」
それぞれ武器を構えた傭兵達は、疾風のような速度で駱駝の群れに向かっていった。


またもやおまたせしました^^;

  • ラト

    ラト

    2010/11/01 20:18:53

    たかりんさま
    あのお方、あれやこれや仕掛けてきますよ^^;
    そうゆうお方なんですよw

    ロウ、がんばって活躍させますから・・・問題は私にかけるのかw? やなあ。

  • たかりん

    たかりん

    2010/11/01 10:08:05

    人狼や盗賊。
    甘いエサをぶら下げて、人の力ばかり利用しようとしてるね!…あのお方(-"-)

    ロヴがんばって~!!

  • ラト

    ラト

    2010/10/28 15:46:18

    だあくさま
    ありがとう^^ 百人力で勇気凛々♪
    後方から弓で援護ですね~了解しましたwww

  • だあく

    だあく

    2010/10/28 15:18:02

    私も お供します キリッ!!(`・ω´・+)ノ
    小心なので 後ろの方でww

  • ラト

    ラト

    2010/10/26 21:46:56

    momokaさま
    ありがとう^^
    ロヴといっしょに戦ってください。
    きっと、強い心の味方になるからね。
    歯ブラシでも大丈夫^^
    どういたしまして^^ よく似合ってるよ。

  • momoka

    momoka

    2010/10/26 21:07:14

    私もロヴと一緒に戦います☆

    ハブラシでも剣のかわりになりますwww

    プレゼントありがとね♪

    ラルムもがんばれ~^^