☆ちりとてちん
世の中グルメの時代といわれ、色々なものが食べられるようになりました。ところで、この落語は自らがグルメだと自慢しているものを懲らしめるものです。知ったかぶりはよくないですね。
【スジ】
まずは「青菜」のでだしに似ています。旦那さんを訪ねてきたものが、あれこれと珍しいものをよばれ、初めて飲んだり、食べたりすることに感動している(この辺り、料理の説明にも掛け合いがあって結構笑えます)。
旦那さんはその食べる姿を見て喜んでいたのであるが、近所に知ったかぶりをして料理に難癖をつけていく者がいるという話しを始めた。
この時、台所でカビの生えた豆腐があったと言ってくる。そして、旦那は面白いようにカビが生えているのを見て、知ったかぶりを懲らしめてやろうと算段をし、呼びに行かせる。
旦那はまず長崎の話しを切り出すと、うまい具合にのってくる。そして、長崎名物「ちりとてちん」を知っているかと聞いてみると、待ってましたとばかりに知ったかぶりが始まるので、このカビの生えた豆腐を、長崎名物「ちりとてちん」だと偽り、どうぞ召し上がってくださいと勧める。
しかし、蓋を開けると強烈な臭いがするのであるが、後に引けないので「懐かしいにおいやなあ」と言うしかない(この辺りが一番笑えます)。
そして、とうとう一口食べるのである。
「わしら食べたこと無いんで分からんけど「ちりとてちん」て一体どんな味や?」
「早い話が、オェ~~~ッ」
「早い話が?」
「豆腐の腐ったような味でんねん。オェ~~~~ッ」