創作小説「王妃の手紙」平行世界
平行世界シリーズ
小説の在庫が…ということで、超短編を。
次期王の花嫁のその後ストーリーww
盛大な結婚式を挙げて、国から送り出してから数日後。コセラーナ王は一通の封書を開けていた。
クスイ国に嫁いだ娘のセーラからの手紙。
初めて訪れるクスイ国や新たな生活のことについてでも書かれてあるのかと思いつつ、そんな内容なら男親である自分宛ではなく母のクイレイラ宛に送るだろうにと疑問に感じながら、手紙を読み始めた。
クスイ国に着いた後の出来事を勢いに任せて書き綴っている。
「…………」
無言で読むコセラーナの横には側近のシキアが控えている。
「コセラーナ様?」
彼の前で突然、肩を震わせはじめた王にシキアは驚き声をかける。
そしてコセラーナは声を上げて、笑い出した。
「いかがなさいました?」
訝しむシキアをよそに、楽しげに笑ったコセラーナは手紙をシキアに渡した。
「……やられた、な」
脳裏に浮かぶのはまじめな青年、セーラを嫁がせたクスイ国の文官だったクーデノム。
テニトラニスに一年に渡る長期滞在をしていた時、帰国することを告げに来た彼の言動を思い出していた。
帰国の報告と共に正式に紡がれた言葉。
『セーラ姫を正式にクスイに迎えたいと思っております』と。
最初からそのつもりだったコセラーナはあっさり『いいよ』と応えたのだが、その後にもクーデノムの確認の言葉が続いた。
『…国外にはまだ公にはされていませんが、クスイの現王が王位を退いて、新王が誕生する予定になっております』
思いがけない言葉に彼の真意を測っていた。
『現在は王と血族ということで側で文官をさせてもらっていますが、新王が起つことで私の地位も変化していくのは必然です』
確信ある口調で語る表情に、嘘は感じられなかった。
『今の、文官の地位を必ず失うと判っている私でも、同じでしょうか?』
真っ直ぐ見つめる瞳に今までにない力強さを感じたのを覚えている。一国の王と対峙しているのに物怖じしない、対等であるがごとくの視線に、笑ったのを。
『それこそ願ったり叶ったりだ。地位を失い路頭に迷うのならテニトラニスにくればいい。君の実力は立証済みだからな』
滞在中に王の補佐的な仕事も彼にふったり意見を聞いたりと様子をみていたのだが、頭の回転も速く見事にやってのけていたのだ。
『ありがとうございます』
深く礼を言って、クーデノムは部屋から出て行った。
王の命令で遊学しているという文官・武官の二人。新王が起つというのなら忙しい職のはずなのに暇を出されているという事実。今のクスイの王城にとって彼らはいてもらっては困る事態になっているのか、と思案したりしていたのだが……。
「こう来るとは、考えなかったな」
「そうですね」
手紙に目を通したシキアもコセラーナの呟きに相槌する。
クスイの王は、現王の指名制で血族とは関係なしに選ばれる。そのため王族は存在しない。
コセラーナの調べで、クーデノムが現王の息子であるという情報は掴んでた。だから、王は血族である彼を指名することはない、と思い込んでいた。
血族で選ばないのではなく、王になれる器なら誰でも指名できるということで、血族から選んでも構わないのだ。
そして、クーデノムがクスイ国の王になった、とセーラからの手紙には驚きが怒りとなって報告されてきていた。
クーデノムが言った文官職を失うという言葉に偽りはない。こちらが勝手に思い込みのもと推測しただけだ。
まさに、してやられた気分だった。
さすが見込んだだけはある、と妙に楽しい気分になった。
「セーラから手紙が来たって?」
王妃のクイレイラが部屋に姿を現す。
「なんだか、楽しくやってるみたいだ」
この先もきっと大丈夫だろう。そんな確信を文面から感じて、コセラーナは満足気に微笑した。
次の小説を何にしようか思案中。
もう在庫あまりないんだなぁ・・・
書くのが遅いので書きながらは難しい><
ちょっと長いが、あのへんのを・・・ゴソゴソ・・・・・
÷じゅん
2010/11/06 23:15:13
おちかりーでしたww
ゆっくりで・・・良いので^-^無理せずお書きくださいませ~
楽しみにしております・・・新作!!(←さ。。。催促じゃないよ><;;自爆)
しゅーひ
2010/11/06 23:00:33
セーラ姫の驚きが目にみえる。
花嫁の続きが読めて良かったわ~ん
ひろぴょん
2010/11/06 16:04:12
がんばりんこ
(^^)
無理しなりんこ
(++)ピカリ
雫⋆
2010/11/06 12:32:22
新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!
新王が誕生するのか...
りるあいりぃ
2010/11/06 08:21:36
王にならなかったら婿養子に入れる気満々だったのかしら…www