COME HOME

ヨネ

日日是悪日

「茜色の憂鬱」

自作小説

どうしてこんなにも、夕暮れはさみしいのだろう。昼と夜のほんの少しの合間にしか、その名は許されない。鮮やかな紅から橙へのグラデーションは、あっという間に藍色に塗り替えられてしまう。


寂寥、寂寞。


そんな言葉が、妥当なところだろう。愁いを帯びたこのオレンジには。

そして、その一瞬のせつなさの存在に己は思いを馳せるのだ。

 

ああ、おまえも哀しいのね、と。


刹那悠久の優しさ。暖かい慈愛の光り溢れる夕焼け。
アスファルトの上に伸びた長いかげぼうし。
その感傷に誘われて来た、閉じ込めたはずの本音を夕方に溶かす。

 

「明日の英語のテスト、どーしよー……」

***
断じて手抜きではない。