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ラト

なに描こか?なに伝えよか?

北の少年 激闘編 7

自作小説

このお話は、友人のリクエストにより、篠原烏童さんの作品から共生獣の設定をお借りしています。ファンの方で不快に思われましたら、お詫びいたします。

長文なので嫌なんです~の方はスルー推奨^^;



掛け声とともに放たれた矢の周りを、風の精霊が取り囲んで真っ直ぐに盗賊たちの元へ運んでゆく。
狙いははずれることなく、駱駝や盗賊たちに命中した。
傭兵たちに追われて暴走していた駱駝の何頭かが、もんどりうってその場に倒れこんだ。
それに巻き込まれた何頭かの駱駝が、乗り手を振り落とす。
40人以上いた盗賊は、その総数をすでに半数近く減らしていた。
その数を追撃するラルム達が、さらに減らしていく。
凶悪をもって知られた「ケルダーの左手」の残された男たちは、半分自暴自棄となってケニスキャラバンに向かって突撃を開始した。
進むも地獄、引くも地獄なら弱い方へ突っ込むまで。
自暴自棄状態の彼らの頭に『逃亡する』とゆう考えは、入り込む余地もないようだった。
「ちっ、まずい!暴走しはじめやがった!」
その様子を追撃しながらみていたラルムは、盗賊団の男たちが暴走し始めたのに気がついた。
どうやら、速攻の効果がありすぎたようだ。
挟み撃ちを恐れ、逃亡してくれたら良かったのだが…。
「反転するのが早すぎたか!」
ラルムは手綱を口にくわえて、左手を大きく振り上げた。
全速で前進の合図だ。
このまま、盗賊団を追い抜いて、キャラバンと盗賊団の間に割り込むつもりだ。
暴走した盗賊たちと、隊商とがぶつかったら間違いなく死人がでる。
ラルムはそれを阻止したかった。
散開していた傭兵達は、すぐさまラルムの後方に集まった。
そのまま、全員が馬の腹に蹴りを入れ、全速力で中央突破を試みる。
ラルムは長剣で左右を薙ぎ払いながら、先頭を走ってゆく。
再度、傭兵の集団が駱駝の群を切り開き始めた。

隊商側からそれを見つめていたジェンは、すぐさま弓を撃つのを止めさせた。
駱駝の群が二つに分かたれ、馬の集団が中央を突破してくる。
そのまま全速で進み駱駝の群を引き離してから、馬の集団は反転してそれを向かえうつように散開した。
「やるな、ラルム・・・」
ラルムの指揮ぶりを見たジェンは、予想以上の彼の働きに内心舌を巻いていた。
まだ若いといってもいい男なのに、小さな傭兵団の指揮もとれるのではないかと思われた。
ラルムが腕利きの傭兵だとは思っていたが、これほどのものだとは思わなかった。
「なるほど、ケニス殿が信頼されるはずだ」
傭兵として南の大地の国々を放浪してきたジェンだ。
今まで、様々な二つなで呼ばれた傭兵の噂をを耳にしてきたが、世の中は広い。
二つ名を持たないラルムの噂を、今まで聞いた事はなかった。
自分の知らないことはいくらでもある。
そのいい例がラルムという男の存在だろう。
(それでも、ラルムちゃんはラルムちゃんやで~)
目前で始まった乱戦をみていたジェンの心に、カイルがのんびりと話しかけてきた。
「油断してるんじゃない、カイル」
ジェンが声に出してたしなめる。
カイルはロヴのそばにいるはずだ。
だが、心の領域を広げて戦いの様子を全部眺めているようだ。
(もう、勝敗は決しとるやろう?ラルムちゃんの勝ちやで)
「追い詰められた手負いの獣ほど、厄介なものはない」
(そやな)
笑いを含んでいたカイルの声が、真剣なものに変わった。
(いよいよ、ここでも戦いはじまりそうやで)
傭兵達の防衛線を突破した盗賊たちが、せまりつつあった。
ジェンは立ち上がって黒ノエラの弓に矢をつがえ、次々と射はじめた。
この距離だと、この短い二の弓は、大いなる効果を発揮する。
腕に覚えのある隊商の者たちも、ジェンに習って弓を射はじめた。
「さっさと逃げやがれ、馬鹿者が!」
ただ突進をしてくる盗賊団を罵しりつつ、ジェンは弓を射続ける。
彼女が矢を放つ度に、盗賊団の足が鈍りじわじわと数が減り始めた。
やがて彼女は弓を射るのをやめ、腰の剣に手をかけた。
そのまま抜刀し、下段にかまえる。
腰を落として前傾姿勢をとり、そのまま砂の上を走り始めた。
ついにジェンが、盗賊たちの戦いに自ら飛び込んでいった。


長らくお待たせしました><

  • ラト

    ラト

    2010/12/08 14:20:26

    たかりんさま
    ラルムさんもやる時はやる男です^^
    …宴会時を除いてはw

    ジェンの活躍はもう読みましたよね^^?

  • たかりん

    たかりん

    2010/12/07 21:28:11

    ラルムの活躍…うれしい♥
    やってくれる男だと信じてたよっ^^

    次回真打ジェンの活躍も楽しみです!!

  • ラト

    ラト

    2010/11/28 23:33:22

    シンさま
    よろしおますかw?

    あれこれ多忙なのに、読んでもらって嬉しいです。
    さて、次回はジェンの戦闘シーン、久しぶりやなあ。
    うまく書けるかどうか、またもた悩みそう。
    で、平行してロヴもあれやこれやと忙しいはずw

  • シン

    シン

    2010/11/28 21:16:08

    ええやないですか^^

    仕事でほとほと疲れ果てた身に
    もう一度カツを入れようかと思いました。

    いよいよ主役の出番ですね♪

  • ラト

    ラト

    2010/11/28 12:52:54

    momoka さま
    もう、勝敗は決まってきたけどね。
    さっさと逃げ出してもらうために、ジェンが「ど~れ」と出撃ですw

  • momoka

    momoka

    2010/11/26 20:06:40

    ラルムもすごいですけど

    ジェンが本気を出したら

    剣で盗賊たちを一気にやっつけそうですね^^