COME HOME

ヨネ

日日是悪日

「ワールズエンド・ダンスホール」

自作小説

ナンだろう、この墜落感。
ぐーるぐーる、ぐーるぐーる。
渦の中に放り込まれて、落下していく感覚。
螺旋状に軌道を描き、真っ逆さまに急降下。
もちろん辺りは真っ暗というオプション付き。
まるでいつかの終末をこの目にしているよう。良いことなんて、何一つ無い。

 正しさを喪っていく。

 方向とか感覚とか価値観とか、全て。
前後左右上下の定めもままならないで、どんどんくるくるぐーるぐる。あ、だめ、目がまわる。
頭ン中の記憶の断片が、激しい濁流に飲み込まれていく。
平衡感覚といい勝負で、こっちもぐっちゃぐちゃ。
甲高い声だけ上げて、どうなるって言うのだろう? 
それでも悲鳴は口を衝いて出る。 

――――異分子。
思考の差異を否定される。
ワタシは間違っているのでしょうか?

――――不必要。
生まれてきてごめんなさい。
でも誰かは、ワタシの生を喜んだのでしょうか? 

―――バイバイ。
いかないで、ねェいかないで。 

大きな暗闇に突き落とされたワタシは、ひとりぼっちの迷子のまま。
螺旋の迷宮は終わらない。

***
タイトルは初音ミクの例のあの曲から。