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陰陽師★瀬織津

自分の好きを表現し、具現化するところ

頼光奉納の肥前鳥居

日記

 今日(3月21日)は佐賀県東松浦郡呼子町の加部島にある田島神社に行きました。

 随分前に遊び(観光)で行って、その境内に頼光奉納の鳥居があるのを偶然見つけ、もう一度来ようと思い、延び延びになって、やっと今日、行くことができました。

 頼光は源頼光。平安時代の人で、大江山の酒天童子退治や土蜘蛛退治で有名な人物です。(一応、安倍晴明と同時代の人。関わりがあったとか、なかったとか)

 頼光奉納の鳥居が見たいというだけで、鳥居調査に行ったのですが、この鳥居が肥前鳥居でした。別名筥崎鳥居、なまこ鳥居といわれるもので、肥前(佐賀県)に多くあるので、この名称があります。
 特徴は三段積みの極端にぶっとい柱と、これまた極端に薄い笠木島木。柱の天辺、島木との間に台輪表現があります。帰ってきて文献を調べてみると、古さにおいて筥崎宮(福岡県)よりも古い、この鳥居形式の発祥ではないか、とありました。うわ、すごいことになってきたぞ、これは。

 くわえて、この神社の一の鳥居も奇異な印象を与えるもので、どうも笠木島木、貫の柱外の部分が出過ぎな、言い換えれば、柱が内側に入りすぎている、ちょっと規格がおかしいものでした。(昭和十六年竣工品)

 参拝順路からすれば、頼光鳥居は二ノ鳥居になります。一方、拝殿正面、楼門前の階段下に、海からの参拝のための船着き場があって、そこにも大きな鳥居があり、体が大きく立派な狛が居ます。造詣素晴らしく、まさに獅子(ライオン)のよう。じっくり見たいけど、見るとあれこれ調べたくなって、すぐ1時間経ってしまうので、とにかく、ここは単に頼光鳥居だけ調べに来たんだと、詳しく見ない様にしました。

 また、拝殿の前の灯籠は、笠の部分に狛犬が乗っており、向かって右側(阿形)が立ち上がり(ちんちんのポーズね)、左側(吽形)が逆立ちをしている珍しいものでした。(狛犬付き灯籠と言おうか、灯籠乗り狛犬と言おうか)その後行った、呼子の町中の神社にも同様に狛が立ち上がり、逆立ちしていた灯籠があったので、この地方の流行なのかもしれません。

 拝殿前の狛犬(正式な狛犬)は頭が大きく、体が小さい、私の連れ曰く「体の毛を刈られちゃった」もので、これはこれで愛嬌のある奴でした。それから拝殿前の茂みに猫が寝てました。起こさないように退散、退散。

 田島神社には境内に松浦佐與姫伝説にまつわる佐與姫神社があり、縁結び・夫婦円満の御神徳を謳っているのですが、後から来たうら若き乙女の集団が縁結びの神社めぐり?でご参拝。社務所でも恋神籤を引いて、書いてある内容に一喜一憂、大はしゃぎでした。姫君たちも良縁を求めて、神頼みに大変なのですねえ、微笑ましかったです。

 田島神社は延喜式内社、旧国幣中社。今は別表神社と由緒正しい神社。神社由緒書きによれば肥前国最古の宮とか。祭神は宗像三女神に大山祇神。そして稚武王(わかたけおう)、仲哀天皇の弟だそうで、祭神としては珍しいですよね。宗像三女神についても、今の宗像大社の祭神は元々はここで祀られていたのでは?という説も有るといいます。

 いやー、二重三重に楽しい神社参拝になりました。調べれば、もっともっと色んなことが出てきそうですね、ここは。

御朱印も頂いて、帰りました。

取材感想ということで、取りあえずは筆を置きます。

  • 陰陽師★瀬織津

    陰陽師★瀬織津

    2009/03/24 23:03:11

    abelさま

    詳しすぎ!!!
    色々と勉強させていただきます。

  • abel

    abel

    2009/03/23 02:28:42

    おつかれさまです!
    有意義な連休を過ごされたようで、うらやましぃです!

    田島神社は松浦党=日下部族=常世民族(おほわだつみ)の神社みたいですね。
    遣唐使が出航したり、倭寇の前線基地だったり・・・
    (海洋民族の船舶航海術と対馬海流の恩恵のおかげ?)

    「松浦佐與姫伝説」の佐與姫は興味ありますねー!
    類似した伝承が九州から東北までありますが
    共通のキーワードは『サヨ姫という名前』、『龍or蛇』、『石』、『松浦』
    柳田国男の「人柱と松浦佐用媛」とかには「サヨ」という名前は
    『神を迎える巫女性』があるとか。
    領巾は「魂招き」の呪具だしなぁ。。。

    そそぉ!宗像三女神の市杵島比売命は別名が
    狭依毘売命(さよりひめのみこと)なんですよ!

    裏山に「磐境」があったらしいし(日下部族は太陽信仰)
    「太閤祈念石」も「磐座」っぽい!!
    肥後鳥居といい、なんて興味のある場所なんでしょ♪

    あ゛ーーー!
    田島神社にめちゃ行きたいです!!!

  • 陰陽師★瀬織津

    陰陽師★瀬織津

    2009/03/22 23:35:03

    斎様

    宗像三女神は、天照大御神とスサノオ尊(あら、命だっけ?)の誓約のやり取りの中で生まれた、かなり重要な位置に入り込んだ神々です。古事記日本書紀に載るくらいだから、あちこちに祀られ、その影響力は計り知れません。

    祭祀をしていた人たちは、北九州から中央に乗り込み、大和朝廷勢力にしっかり食い込んだ、実力者なのでしょう。天孫系との関わりを調べていけば、何かわかるかも。

    北九州北部海岸一帯の海人族や、壱岐などの勢力も絡み合って、(住吉も入り込んで)複雑極まりないような気が…。
    考えるだけで、頭がどうにかなりそうです。

  • 斎

    2009/03/22 21:28:35

    こんばんは♪
    難しくて半分程度しか理解できないのが悲しいですが、凄いですね!
    宗像三女神…私的には海の女神様として様々な場所で祀られているというイメージが強いです。
    どこで最初に祀られていたのか、興味が出てきました(^^)

  • 陰陽師★瀬織津

    陰陽師★瀬織津

    2009/03/22 08:38:49

    みたらし様
    コメント、ありがとうございます。
    鳥居についての参考文献、紹介します。
    よろしければ、図書館で探して見てください。
    (初心者向け)
    『鳥居 百説百話』川口謙二・池田孝・池田政弘 東京美術
    (上級者向け)
    『鳥居の研究』根岸栄隆 厚生閣
    『鳥居考』津村勇 内外出版印刷

    後の2冊はマニアックに詳しく、読み応えあり。
    ですが、昭和十八年刊行の本なので、旧字体の漢字ですらすら読めません。

  • みたらし

    みたらし

    2009/03/22 04:28:18

    凄~い。フムフムと読ませてもらいました。^^
    素人なので結構難しいですが、でも
    勉強になりましたぁ♪