青年は、昼のあたたかい日差しが降り注ぐ公園の真ん中に腰を下ろした。
一般的に考えても彼は普通の人間であったし、彼もただ自然に地面へ腰を下ろしただけだったのだろう。しかし、静まり返っていた公園の中の子供達は彼のそれを合図にするようにざわざわと波を起こし始める。
それから間も無く、彼の周りには人だかりができていた。周囲の子供達は目をきらきらと輝かせながら、彼の口の動きから手の動きまでしっかり凝視していた。
青年はそんな子供達を不思議に思ったり驚いたりすることも無く、まるでこれが自分の習慣であって日常なのだという風にほほえむ。彼は自分の周りの子供達をぐるっと見回すと、おもむろに口を開き始めた。

「じゃあ今日は、ある一人の少年の話をしようか。

昔々・・・と言っても、そこまで昔の話ではありません。
或る所に、少年が居ました。
少年は丁度、少年と青年の狭間にいた大人に成りかけの宙ぶらりんな存在でした。
あるとき少年は、ひとつの疑問にぶつかりました。
幸せとは何か、自分の生きる意義は何か。
今まで様々な疑問にぶつかっては解決し、を繰り返してきた少年でも、この疑問に納得のいく答えを見つけることはできませんでした。
そんな或る日、少年は恋をしました。
ふわふわとした長い髪を持つ目の大きなその少女に、少年は心を奪われました。
この気持ちがどういうものなのかは少年にはよく分かりませんでしたが、少なくとも少女のことを見ているときは幸せだったし、ずっと少女のことを見ていたいと思う時さえありました。
少年は、とうとう少女に想いを告げようとしました。
しかし、別れの日はやって来ていたのです。
彼が想いを告げる前に、少女は何処か知らない国の、知らない村へと旅立ってしまったのでした。

・・・今日のお話はちょっと難しすぎたかな？」
青年はそう言って笑った。
「実は、このお話には続きがあってさ」
彼は何処か遠くの方を見つめて、まるで何かを思い出すかのように言葉を並べる。
「今でも少女のことを忘れることができていない少年だけど、幸せってどんなものか、自分の生きる意義って何なのか、分かった気がするんだ」
青年はとても清々しい表情だった。
「その面白い話、もう一度聞かせてくれませんか？」
明らかに子供の声ではない透き通った声を聞いた青年は、思わず後ろを振り返る。
そこには、女性が立っていた。

ふわふわとした長い髪を持つ、目の大きな女性であった。
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今回も駄文失礼しました。。。
終わり方が気に入らなくてどれほど悩んだことか・・・って感じです。今もあまり納得いくものにはなっていないのですが＾＾；
青年＝少年には気づいていただけたでしょうか？分かりにくくてすみません。タイトルの「むかしばなし」はそこから来ています。
文章書くのが好きな私ですがやっぱりまだ知識が足りないので、誤字脱字や言葉が変な所があったらコメントにて教えて下さい。また、感想や駄目出しもどんどん言ってください！

次回作も（できれば）がんばりたいと思っています。。。

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