まだ真の実力を発揮しきれていない感はあったものの
よくぞここまで持ち直した！！と思わず拍手を贈りたくなった今大会。
いや、もう今シーズンの序盤のボロボロ加減を見ていただけに
先日の全日本選手権での復活劇はファンとしては本当に嬉しかったです。

勿論、優勝した安藤選手の安定したジャンプと
演技力の完成度のズバ抜けていたFPも素晴らしかったですし
シニア初参戦の今シーズンでめざましい成長を見せ付けてくれた村上選手の演技も
これからまたどこまで上手くなるのだろうという底知れぬ恐ろしさを感じさせてくれましたが
やっぱり私的には真央ちゃんの演技が一番なのです。

数年前、初めてシニアの大会に出てきた真央ちゃんを観た時の衝撃は忘れられません。
それまで伊藤みどり選手しか飛ぶことができないと言われていたトリプルアクセルを
弱冠10代半ばの子供みたいな少女が軽々と、事も無げに飛んでいる様を観て
”スゴイ子が出てきた！！”と直感しました。
まるで呼吸をするかのように難易度の高いジャンプを軽々と飛んでいき
あっという間に優勝を掻っ攫ってしまった。それは衝撃でした。
彼女には跳ぶ為の翼が生えているのではないか？と真剣に思ったものです。

しかし天真爛漫だった少女は次第に大人になっていき、試合を重ねる毎に、
近づくバンクーバーオリンピックへの周囲のメダルの期待と不安、
そして度重なる不利なルール改正といった現実との葛藤で
次第にその翼は傷ついていきました。

そして今シーズン序盤、ジャンプを徹底的に基礎から直すという試みの為
完全に調子を崩してしまいGPファイナルにも出場できないという
絶不調での幕開けだったにも関わらず、この今回の結果！！
これで泣かずしてどこで泣けというのですか！！（ﾉд｀）

ところで、それまで当たり前のように飛べていた少女が
ある日突然飛べなくなってしまう…そんな物語どこかで聞き覚えがありませんか？
そう、ジブリ映画でも有名な「魔女の宅急便」です。
小さい頃は何も考えなくても飛べたのに、大人になると考えないと飛べない。
－いや、色々考えてしまうからこそ飛べなくなってしまう。
だけど、だからこそ自分だけの飛び方を見つけなくてはいけない。
人真似ではない自分だけのオリジナルの飛び方を。

今回の件だけで完全復活と言い切ってしまうのは早計ですが
真央ちゃんが本当に自分だけの跳び方を見つけたのならきっと大丈夫。
彼女はまだまだ終わらない。きっともっとずっと強くなる。
ファンとしてはそれを信じてソチオリンピックまで応援していきたいと思います。