先日買ったＤＶＤは、予想以上にいい映画だった。
十字軍の時代がどんなふうであったか。
中世の生活の様子。
当時のイスラムの英雄サラディンやイスラム勢力の描き方。
城攻めをするとき、どんな武器を使って攻撃をするか。
当時の職人が、最先端の技師であったこと。
時代考証がしっかりとして、見ていてあまり破綻がなかった。
なにより、イスラム勢力を絶対悪、十字軍側を絶対善としていないことに好感がもてた。
十字軍はけっして、神のために行われたのではない。
正義の味方なんぞではなかった。
そのことをきちんと描いた西洋映画としても評価できる。
とかく、十字軍は騎士道精神と、宗教心に目覚めた中世騎士たちの浪漫にあふれた行動ととられがちだ。
平和に暮らしていたイスラム側からしたら、侵略者以外の何者でもない。
「異教徒」だから皆殺しとばかり、女子供まで殺し略奪の限りをつくしていたのだ。
当時、略奪は勝利した軍の特権だったから、彼らにしたら当然の権利なのだろう。
されたほうは、たまったものじゃない。
エルサレム攻略後、全ての住民の命を守り、キリスト勢力の町まで護送したサラディンとは偉い違いなのだから。、