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ラト

なに描こか?なに伝えよか?

「接続された女」を思い出しながら

日記

ジェイムズ・ティプトリーJrというSF作家がいた。
本名をアリス・シェルドンという。
ある時期まで性別不肖の作家として活動していた。
世間では男性作家と信じられていた。
「最近の有能な新人SF作家は、ジェイムズ・ティプトリーJrを除けば女性作家ばかりだ」と、言わしめるほどの才能を見せつけていた。
彼女は性別以外は、自分の経歴を隠さなかった。
その経歴をもとに、性別をファンが突き止めた後も、その才能と人気が揺らぐ事はなかった。
詳しくは書かないけど、劇的で稀有な生涯を送った彼女は、その死も衝撃的なものだった。
最愛の主人との取り決めに従い、痴呆症がひどくなった夫をショットガンで殺害して、自分の命を絶ってしまったのだ。
晩年に彼女が書いた傑作「たった一つの冴えたやり方」は、彼女の最期とオーバーラップして、涙無しには読めない。
彼女の死は、SFファンの間に激震を招いた。
今もティプトリーショックとして語られるほどに。

さて、彼女の傑作中編の一つに「接続された女」がある。
宣伝が極端に制限された未来、唯一の宣伝方法は、有名人が商品を見につけてTVにでること。
その目的のために、最高の妖精のような女性アバターが製作される。
そのアバターを遠隔操作するのが、主人公のP・パーク。
まるで電気棺のような遠隔操作用の箱にコードで接続される彼女は、美しくない、誰からも目を背けられるような女性だった…。

さっき、遠隔操作するアンドロイドがTVで放映されていた。
マシンが作り出す「人間らしさ」を追求したんだそうだ。
モデルの女性とそっくりに作られたアンドロイドをみて、モデルの女性はこう話していた。
「なんだかとても親近感が湧きます♪」
…この言葉に、私は激しい違和感を感じた。
なんと言えばいいのかな。
とてもうすら寒いような感情、たぶんこのリアルなアンドロイドを見たときに感じた不快感のような。

ああ、なんといえばいいのかな~><

♪君は君だけしかいないよ
 今もこれからも、君しかいないんだ 一輪の花♪

どういうわけか、この歌詞がずっと頭に鳴り響いていた。

いやはや、何がいいたいのか、まだ未整理中。
ただ、ただ、遠隔用のリアルアンドロイドに、ちょっと不快感を刺激されたようです。

  • ラト

    ラト

    2011/01/13 21:52:02

    らてぃあさま
    そうかなw
    興味をもってもらえたら、嬉しいなあ。
    機会があればティプトリーJr、読んでみてね~。

  • ラト

    ラト

    2011/01/13 21:50:46

    Ryouちゃんさま
    そう、それです。ジェミノイド。
    いくら遠隔操作で中の人は本人でも、やはり違和感はあると思うんですが^^;

    昔、サイボットだったかなあ?
    同じようにリアル路線のロボットを個人で開発していた方がいましたけど。
    このジェミノイドより、あちらの方がまだ好感がもてたかもなあ。

  • ラト

    ラト

    2011/01/13 21:40:26

    マッサマサ♪さま
    まったく、その通り。
    進み具合はSFよりも早いように思います。
    いい方へ進んでいないように思えるのがなんとも^^;

  • ラト

    ラト

    2011/01/13 21:39:12

    Yureさま
    そうでしたね~なんで彼女の挿絵になったのかなあ?
    当時、少女漫画家が表紙や挿絵を描くのが流行ってたからかなあ?
    某所の友人は、この表紙で買うのをためらった。もっと早く買って読むべきだった。
    と、悔しがってましたよ。

    …世の中、進み具合が早くてどこに向かうのかなあと思います。

  • らてぃあ

    らてぃあ

    2011/01/13 20:44:48

    ラトさんのブログは面白そうな本がいっぱいで助かります。

  • Ryouちゃん

    Ryouちゃん

    2011/01/12 22:59:55

    ジェミノイドの事ですよね。同じ番組を見ていました。
    両脇の「あれら」より、いつも眼鏡の石黒教授が今日はノー眼鏡だったので、
    そっちの方が異様だったという(^_^;)。
    教授は「ジェミノイドが代りに出向いていけば、自分は行かなくていい」的
    発言をされていましたが、SFやマンガではたいてい、失敗するというオチが
    着いているわけで…。

  • マッサマサ♪

    マッサマサ♪

    2011/01/12 21:16:31

    だんだんSF並みの世界になってくね

  • Yure

    Yure

    2011/01/12 21:04:13

    「たったひとつの冴えたやり方」が掲載されたSFマガジンが、うちにあります。 ネビュラ賞を取ったかとらなかったか憶えていませんが、挿絵がカワハラユミコだった・・・。 その後発行された文庫はなんだか少女マンガのようで、「泣かなきゃ人間じゃない」くらいに言われましたっけ・・・ ^^; ほんの少しの間に、現実のほうがどんどんあらぬ方向にSF化しているようですね・・・