なみだうさぎ

なみだうさぎ

のほほんと暮らしています♪

♪ニコッと時代劇 ~姫の巻物の巻~ 其の四♪

自作小説


姫「ここの櫓に上るの初めてじゃ。

  吉原が全て見渡せるの。

  …おお…

  …月が奇麗じゃ。」

月詠「…。

  …今宵は丁度満月の晩。

  …姫様。

  実はあちきしには、

  心を許したうさぎ姫様にも

  秘密事にしていたことがござりんした。」

姫「何じゃ、改まって。

  何でも申してみい。

  わらわの心は海より広いぞ。」

月詠「…あちきは、

  …実は月から参り申した、

  月の住人でありんす。

  月で生まれ、

  月で暮らし申した。

  そして今宵、

  とうとう月からの使者が来てしまうのでありんす。」

姫「…なんと…!

  …昨晩じいが読んでくれた絵本の話に似ておるが。」

月詠「うさぎ忍法の巻物は月から持ってきたものでありんす。

  それ故、満月に当たりますると

  巻物の中の人参が黄金に輝き出しまする。

  月からの使者はその光を目安に、あちきしの所へ参るのでありんす。

  姫様に預け、隠したつもりでありんした…。」








♪つづく♪