なみだうさぎ

なみだうさぎ

のほほんと暮らしています♪

♪ニコッと時代劇 ~姫の巻物の巻~ 其の伍♪

自作小説

月詠「うさぎ忍法の巻物は月から持ってきたものでありんす。

  それ故、満月に当たりますると巻物の中の人参が黄金に輝き出しまする。

  月からの使者はその光を目安に、あちきしの所へ参るのでありんす。

  姫様に預け、隠したつもりでありんした…。」

姫「…。

  …おぬし、

  月からの使者が来たら、

  今宵帰らねばならぬのかや?」

月詠「…………。」

姫「泣くな!

  巻物を取り返せばよいのか?」

月詠「…はい…。」

姫「使者が到着するのは何時じゃ。」

月詠「このころなら丑三つ時にございまする。」

姫「分かった。

  必ず戻る故、早まるのではないぞ。

  よいな!

  これは命令じゃ!

  紅!

  蒼!」

蒼・紅「お傍に。」


うさぎ姫の傍らに二人のくのいちが現れた。




姫「一刻を争う!

  盗賊を探し出し、巻物を取り戻せ!

  巻物への標(しるし)は月光のような輝きじゃ。

  よいな、巻物を汚すでないぞ!」

紅・蒼「はっ!」

姫「わらわも戻って支度をする。

  よいな月詠、決して早まることをするでないぞ。

  すぐ戻る。」

月詠「うさぎ姫様…」




姫は吉原を後にした。









♪つづく♪