パパラギ 3
パパラギは巻貝のように硬い殻の中に住み、溶岩の割れ目に住むムカデのように、石と石の間に暮らしている。頭の上も、足の下も、体の周り全て石である。パパラギの小屋は石でできていて、まっすぐな箱のような形をしている。たくさんの引き出しがつき、あちこち穴だらけの箱である。
この石の箱を出入りするのは、たった一つの場所からだけである。
この場所をパパラギは、家を出る時は出口と呼び、入る時は入口と言う。たとえ二つの名前がついていても、二つはまったく同じものだ。この場所には大きな木の翼がついていて、小屋に入る時には、この翼を力いっぱい押さなければならない。一つ押し開けてもそれは手はじめで、本当に小屋の中に入るには、まだまだ沢山の翼を押さねばならない。
たいていの小屋には、サモアの一つの村くらいの人間が住んでいて、訪ねようとする家族の名前は正確に覚えておかないとならない。それぞれの家族は、石の箱のどのあたりに住んでいるのか、とにかくどこか一つの場所に住んでいるのだから。
それぞれの家族は、壁一枚をへだてて隣り合っているにもかかわらず、普通、他の家のことは何も知らない。全く何も知らないのだ。
あたかも壁一枚の間に、マノイ島やアポリ島やサバイ島やその他たくさんの海があるかのように。彼らはほとんどお互いの名も知らず、入口で会ったりしても不承不承一礼するか、敬意を持っている昆虫どうしのように、低いうなり声をかわすだけである。
社会の希薄化している現代日本も同じであるなぁ~!
ひれぴん
2011/02/18 00:00:51
見方が変わるとこんなにも滑稽になるんですよねーw
低いうなり声をあげる昆虫ってΣ(`Д´ )マジ!?
ぬい子(応援団)
2011/02/17 23:14:37
なにがなんだかよくわかんないw