＃－1　　星の蒼原


　闇。何も見えない闇。
　頭が痛い。気持ち悪い。
　どこかに落ちていく感じ。
　怖い恐いこわい――――
　―――助ケテ…？




　ザァァァ――ッと快い風が私を撫でていく。
　碧い空、蒼い草原、舞う星屑。
　気づけば私は、どこかに倒れていた。
　横向きで見る景色。つい、うとうとしていたらしい。
　思い身体を起こし辺りを見渡す。
「ここは…どこです…？」
　立ち上がろうとすると、腰に下がっていた何かが落ちた。
　そっと拾い上げる――ハープのようだ。
　少し鳴らしてみる。
　美しい旋律が響き、弾かれた弦から金色の光が零れた。
「“ギリア”のハープです…！！」
　思わず喜びの声をあげていた。
　これは見間違うハズもない、“ギリア”の…“海と月のハープ”。
「あ…ギリア…の、服も着ているのですね…！」
　喜びのあまりくるくると回ってみる。
　そしてここは、“星の蒼原”。
　私はどうしてか、それほど驚いていないようだった。
　こんなにすぐに状況が理解できるとは自分でも驚きだ。
　そう、私はゲームの…“ダークバスター”の中に入ってしまったらしい。
　夢なのかもしれない。
　――もしかしてずっと、出られないのかもしれない。
　だが私は密かに期待もよせていた。
　何故か、私はここでルシファーと逢える気がしたのだ。
　きっと…いや、絶対。
　すると突然、爆発音が響き渡った。
　やはり誰か居るのだ！
　丁度目の前で――といっても結構な距離があったのだが――起きたようだ。
　急いで駆け出した。
　――そこで私を迎えた景色は、あまりにも夢すぎた。

　幻想的な赤紫色の火の粉が散る――その真ん中に立つ少年。
「…キレイ…です…」
　思わず出てしまった台詞。
「ッ？！」
　振り向いた少年の反応と服装は、私の知っている彼だったのだから――――。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○


　涙が出るかと思った。
　それくらい嬉しくて…切なくて。
「まさか…“ギリア”なのか…？」
「はい、です」
　首を傾げて私を上から下まで見るルシファー。
　まだ微かに疑っている様子が分った。
　ルシファーは見れば見るほどゲームのキャラクターにそっくりだった。
　私の好きなルシファーに…。
　女の子っぽい顔つき、寝癖つきの黒髪、わりと…いや、凄く似合っている白魔導師のゆるゆるローブ。
　今すぐ抱きつきたいような距離を保っていたいような微妙な気持ちを彷徨っていると、ルシファーが俯きながら、
「ギリアはやっぱり…――――、よ」
「ふゆ？」
「な、なんでもないッ！」
　真っ赤になって否定する様子が堪らなく可愛い。
　でも今…なんて…？
　――ルシファーなら、いつか教えてくれるですね。
　淡い微笑を浮かべギリアも俯きながら言った。
「ルシファー…やっぱり逢えると、思ってたです」
「え？」
「秘密なのです」
　やっぱり言ってから恥ずかしいと思い直した。
　照れ隠しにクスクス笑って誤魔化す。
　一緒に笑ってくれたルシファーと居られるこの時間は、例え私たちを永遠に閉じ込める牢屋だとしても、私の大切な思い出なんだ―――


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○






















原稿見ながら打つのってめんどくｓ((黙
長門のキャラソン「君がくれたあの日」聴きながら失礼しやした。

今日はいかがでしたかな？
んでは。