新小説プロジェクト第1作品『気分は雨時々曇り後晴れ―非日常の世迷言―』
第18話『二ツ目ノ月ハ眼球ヲ現ニス』
前編
　
月華夜｢本当、愚かだったわね、大空の神は｣
大地の神｢一体これはどういうことじゃ!!｣
月音｢爺は黙ってな!｣
月華夜｢ねぇ、月の目ってどこにあると思う?｣
影夜｢クレーターっすかね?｣
月華夜｢いいえ、違うわ、月の目は私になるの｣
大地の神｢まさか貴様、真に神の力を受け継いでいるのか?!｣
月灯｢それはどういうことなの?おじ様!｣
月華夜｢そうよ…月夜お兄様にも無かったし月灯お姉様にも無かったし月華お兄様にも無かったわね。｣
炎の神｢確か、ここ最近、月の神に神の力を受け継いだ者はいなかったような｣
月華夜｢そんなことはもうどうでもいいわ、私に忠実を誓わないなら…｣
月華夜｢死んで｣
ものすごい笑顔で言うから怖い
まぁ俺もこの笑顔で脅しに近い台詞を言われてしぶしぶ参加したけど…
神様は強情らしい
神様総とっかえになってしまった。
まぁ人数は合わせてたし
光牙｢で、これからどうするんです、か?新議長さんよ｣
月灯｢あら、私はまだ結論を言っていないのだけれど｣
月華夜｢別に構いませんわよ、お姉様は特別です。｣
月灯｢何よそれ｣
月音｢今ここに宣言する!｣
どうしてこうこいつはせっかちなんだろうか?
月華夜｢たった今この時間から、この神聞会は私、鉦鏡　月夜(かねかがみ　つきよ)が率い、世界に新たなるシステムを見出すことを宣言します!｣
ちなみにこれ、全世界に渡っている。
　
世界中で今大騒ぎしている。
神が存在することを知らしめたようなものですもの。
あの放送により世界中に神がいることを知り、宗教が次々に崩壊していくなどと言ったニュースが流れている。
宗教だけではない、政治も破綻しているだとかデモが起きているだとか。
そして私はただ、月夜様の冷え切った体にすがる様に抱きつくことしかできないでいた。
出来れば死ぬ前に沢山話したいことがありましたのに。
月吉町は未だに火葬ではなく土葬だから、埋める前に色々と感傷的になる時間がもらえました。
月灯｢お兄…｣
必ずまた会えると言っていたのに。
最後の言葉がそんなのじゃ…苦しいだけだよ。
でも声はもう届かない。
遠い遠い所に行ってしまったから…
もうどうすることもできないのだけれど、私はそんなの…
嫌よ!
　
以前の世界は幕を閉じた。
そろそろ俺は目を覚まさなければいけないらしい。
あんたも、会いたいだろ?
自分の娘に、宵月　姫さんよ。
姫｢…世界が動くまでは…誰にも見つからないつもりだったのに…｣
??｢貴方は一体…｣
?｢何者ですか?｣
俺は、鉦鏡　月華、前時代の遺物だ。
??｢なら私達と同じですね。｣
?｢私は黒河　美弥子(くろかわ　みやこ)です。｣
??｢私は比嘉原　鈴(ひがはら　りん)。｣
姫｢ここは死臭がすごいわね。｣
そうだな…まぁ俺はこの通り話すことが出来ないがな。
これも呪いのせいだ。
まぁ気にするな、これは私にとっても都合の良い姿だ。
おや?客が来たようだ。
ヘル｢世界が動いたせいで私たちはのけ者になってしまいました…｣
デューラ｢同じくです…｣
そして新たなる世界が幕を開けたせいで、はじき出された者たちがここにいる。
鈴｢何だか救われないですね、この世界は｣
だが、この世界は月夜が命を懸けて守ってきた世界だ。
世界は大きい、それを守ろうとしたアイツは、とっても小さい一人なんだ。
だったら、どうにでもなってくれるさ、アイツ一人の時以上に。
　
瑠奈｢今の世界の目は四つ以上あるんじゃないかしら｣
狐鞠｢にゃかにゃか面白い例え方をするのじゃにゃ、主よ｣
灰狐｢ご主人、俺は認めない、こんな不毛な世界は｣
瑠奈｢奇遇ね…｣
　
続く
　
今日の名言
『病まない人はいない、人は誰しも心という病に侵されているのだ。そして、心という病を持つ者同士、人は分かち合うことが出来るのだ。』
　
以上!