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市民が斬る

日記

3月29日  原発事故に思う(3)  藤本敏雄氏の「放射線の安全性についての考察」

 

被災された方に心よりお見舞い申し上げます。
そして、命を賭して、現地で懸命な修復作業を行っている方達に心から感謝いたします。

原発事故で何かお役に立つ情報を発信したいと考えていた。
先日、友人の藤本敏雄さんから、「放射線の安全性について」とても参考になる考察を頂いた。本人の断りをもらって、以下に転載させていただく。

藤本敏雄さんは、北大理学部高分子学科修士課程を卒業。某化学メーカーに一市民Tと同期で入社した。記述中にある通り、勤続中、阪大医学部修士課程にも留学した超優秀な科学者だ。今でもいろいろと教えていただくこともあり大変感謝している。

専門用語が出てくるので、難しい部分もあるが、分かりやすく解説してくれている。
藤本さんの結びで述べられていることにも、全く同感する。


『           放射線の安全性についての考察            
小生は会社の産業衛生部に10年余おり、職場環境衛生並びに製品安全について全製造現場を指導する立場だったこと、また阪大医学部修士でもあり、新薬の臨床開発を10年余やっていたこと、等から言えば、化学品安全については元専門家と言われてもよい立場かと思います。
しかし、放射線安全については、余り深く調べたことがなく殆ど素人と言っても良く、今回、この際に一寸勉強してみようと色々調べ、考えてみました。
 
 しかしその結果は、放射線安全の難しさ、複雑さとデータのなさが分かるばかりで、安全基準等というものは存在せず、政策上の規準にはもともと何の根拠もないことが良く分かリました。
結局放射線にはついては、強い放射線曝露を受けた場合の急性障害(確定的障害)を除くと明確な閾値などはなく、危険性はどんな低い曝露量でも統計的・確率的には常に存在し(確率的影響)、リスクはベネフィットとの兼ね合いで決めるより無いようで、政府が決めた規準をもとににわかにどうこう言ってみてもしょうがないなといった感じがします。
 
 化学物質の安全性・毒性について議論する場合には、化学物質を全てひとまとめにした安全係数だの安全規準だのを議論する愚かなヒトは多分少ないでしょう。化学物質個々に、且つ化学物質を取り込む径路(経口、吸入、経皮、皮下注射、静脈注射等)毎に、且つ急性毒性、慢性毒性、発癌性等、その毒性の種類毎に議論するものですし、その許容量の決め方には動物実験による推定の仕方とヒトに対しての疫学データから推定するやり方とがあります。また化学物質(特に医薬品)の場合に、多くの化学物質を同時に摂取した場合の相互作用に関しては、個々の化学物質の組み合わせを調べることは不可能なので、特定の薬物(化学物質の中の極一部)に関し薬物代謝酵素(P450)の種類毎への影響を調べることで大まかな議論で済ませています。
化学物質の安全性を考慮する場合には、ヒトの吸収・代謝・分布・排泄の考え方が重要となります。更に人の組織を構成する細胞は、どこの組織においても(脳の神経細胞を除けば)常に一定の期間毎に細胞は計画的に破壊され(アポトーシス)、新しい細胞と置き換わっています。創傷部位の治癒機構に関しては、この障害された細胞が新しい細胞に急速に置き換えられることにより組織としての機能を保持します。
(障害の部位や程度によっては、完全にもとの細胞組織に戻る訳ではなく、瘢痕組織となってその組織の機能を低下させることはありますが。)
従って体内或いは細胞内に取り込まれた物質が永久(寿命から見て)に、そこに止まり蓄積されるものではなく、例え代謝分解を受けなくても何れ体外に排出され、放射性物質の場合も同様と考えられます。(アスベストのように、排出しようとする生体作用が逆に悪い作用を引き起こす例もありますが)
 
 しかるに、本来は放射線安全に関しても、放射性物質毎の放射能、放射線の種類(アルファー線、β線、γ線、中性子線等)毎のエネルギー、放射線の物質透過力、核分裂の仕方(核物質の懐変の種類:懐変の種類により同じ放射性物質でも放射する放射線の種類が異なる)、放射線放射期間(半減期)、被曝放射線量、被曝部位、被曝期間等、人体への影響を考慮すべき要因個々について議論すべきものと考えられますが、個々についてのデータとそれによる人体影響の考え方は余りにも複雑で且つデータそのものが殆ど無い部分もあるのが実態のようです。しかも、放射線(放射性物質)に対しては生物が代謝分解し無毒化することはあり得ず、放射性物質を飲み込んだり、吸入したりした場合の体内分布や排泄についてのデータは殆ど無いに等しいようです。
(ヨウ素については、放射性に関係なく甲状腺に吸収しやすいことが知られていますが)

 

続きは http://civilopinions.main.jp/2011/03/329.html