祖父の一周忌だったのです。

ああ去年の今頃はお葬式で号泣したなあとか思いながら参列してきました。

父を通して私に、超の付くほど甘党な味覚と、声のでかいところと、雨の日の度に坊主頭にしたい衝動に駆られるほどの天然パーマと、保育園に通っていた頃ぼうっとしていた視線の先にたまたま居た子に「何でにらむの（泣）」と言われたくらいの目つきを受け継がせてくれた祖父です。

ちょっと見た目怖そうで、実際厳しくて、でも子供好きで私や妹をよく学校まで車で迎えに来てくれた優しい祖父です。

たまに待ってる間、下校中の他の子供にも話しかけて、（お祖父ちゃんそれちょっと不審者みたいよ……）とちょっとはらはらさせてくれた祖父です。

そんなに良くしてくれたのに、私がまだ何もお祖父ちゃん孝行しないうちに、亡くなってしまった。今でもそれを悔やんでいます。

せめてあと数カ月、元気でいてくれたら。

私が初めて自分で稼いだお金が口座に振り込まれたのが、祖父が亡くなる数日前でした。

いや、孝行って何もお金を使わなくても出来るものだけど、私は自分が肩こりとかしないせいか肩もみや腰もみがすごく下手だし、何だか照れくさくてうまく感謝の言葉を伝えることさえ出来ないから。

だから、帰省の時に、「駅で見かけて美味しそうだったから、みんなで食べよう」とか言って、自分のお金でお菓子を買ってお土産に持って行ったりしたかったなあ、とか。

そんなことを考えながら、祖父の大好きだった和菓子を買っていって、今日は霊前にお供えしたのでした。