日記ダイアリー徒然草

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小説/詩

ユリ01「旅」

(20)

寂しそうと言うよりは、何だか皮肉じみた顔で桜は微笑んだ。
「あの…桜さん?」
黙りこくったままの桜を見て、私は思わず声をかけた。
桜は振り向くと、口をあけた。
「あっははは、なんっかシリアスな雰囲気になってんの!!どうしちゃった訳?」
演技がうまいんだ。
私は黙ったままだった。
そんな私を見て、桜は一瞬泣きそうな顔をしたが、何とか持ちこたえた。
私はあの沈黙を忘れはしない。
もしかしたら、もしかしたらこの人も。
私と同じ闇を抱えているのだろうか。