セカンド

花束

小説/詩


テーブルの上の花束
ぽっかり空いた空間にそれはあった

誰が置いていったのだろう
その人はもういないのに

会うことの出来ない
遠くへ行ってしまったのに

カーテンを揺らし
カゼが花束にささやく

瞬間
やさしい声がした

私は花束を強く抱きしめ
そっとテーブルの上に重ねた

甘い香りの中
やさしい声が聞こえた

かすかに
消えていくように