心理学で「単純接触効果」という用語があります。これって何かなと思われそうですが、なかなか面白い実験があるのでご紹介します。

Ｚａｉｏｎｃという心理学者は、人と人との接触回数の程度が、相手への評価に影響を与えることを検証しました。

まず、ミシガン州立大学の卒業生名簿から、12人の写真を選択しました。そして、被験者（大学生）に、「視的記憶の実験をします」と言っておいて、それらの写真を２秒間隔で、ランダムに８６回見せました。その際、それぞれの写真ごとに見せる回数を変化させました（ここが味噌です）。つまり、その回数は「０回」「１回」「２回」「５回」「１０回」「２５回」としました。その後、被験者たちにそれぞれの顔写真をもう一度見せて、「どの程度好意を持つか」を７段階評価で測定してもらいました。
なんと、結果は以下のようになりました。

「０回」提示・・・＋２.８
「１回」提示・・・＋２.９
「２回」提示・・・＋２.９
「５回」提示・・・＋３.２
「１０回」提示・・・＋３.６
「２５回」提示・・・＋３.７

この結果から、写真を見せられた回数が多いほど好意的になると判断できます。今ではこのことは「単純接触効果」と呼ばれています。「遠くの親戚より近くの他人」と言われることも一理あるんですね。仲がいいからよく会うのは分かると思いますが、その逆によく会うから仲がよくなるということの心理です。
ですから、遠距離恋愛というのは･････