Ben日記

ベンクー

思ったこと、感じたことの日記

貴重な経験

日記

8回裏、ワンアウト、ランナー1・3塁。
鼓膜に響く金属音とともに打ち上がった小さな点は、緑色の地面の上に弧を描きながら落ちて行った。
その瞬間、後輩たちの夏が終わった。
準決勝、0-7で8回コールド。
敗色濃厚とはいえ、せめて9回まで試合させてやりたかった…この思いが私の胸に強く残った。

2年3ヶ月…高校野球をやれる期間は本当に短い。だが、その短い期間の1分1秒は本当に充実したものである。
ただし、充実はしているが、その時間は毎日が苦しい日々の繰り返しで、ミスすれば怒られ、音を上げれば怒鳴られる毎日である。一人では叶えられない夢だけに、より個人にかかる厳しさが増すのである。

夢を追うことは素晴らしい。だが、その道は険しい一本道であり、余程の覚悟がなければそこに居続けることはできない。
そこが自分に合った居場所ではないかもしれないが、そこに居るというだけで、後輩たち一人一人は大きな人生の経験を積んだ者たちである。

プレーした者も、プレーできなかった者も、彼ら全員の将来にとって、この貴重な経験が必ず役に立つことを祈って止まない。