小説日記。

紅蓮狐 糾蝶

未来日記所有者14thの日記。
その日の出来事が「全て」小説のように綴られている。
しかし一日一回しか未来が更新されないので、大まかな事しか解らず精密さに欠けイレギュラーに弱い。

新小説【原案Ⅱ】

自作小説



―――彼方は生きている意味について考えた事はありますか?

意味なんて無い。
ただ生きてさえいれば、いつか死ぬ日が来る。
いつか死ぬ事が生きている意味。
そんな下らない事を考える。
それが人間。
哀れな生存競争の中で自殺する、弱い生き物。
自ら命を絶とうとする、醜く歪んだイキモノ。
それが人間。

―――彼方は“夢”をどう思いますか?

夜に寝ている間に見るモノ。
自分の将来について思い描くモノ。
人は夢がなければ生きていけない。
夢とか愛とか、カタチの無いものに縋らなければ生きていけない哀れな生き物だから。

―――彼方はそうして現実として見ている日常が、
        本当はいつか、覚めてしまうのではないかと、思ったことはありませんか?

クダラナイと片付けるのは、とても簡単。
けれど、彼方は本当にクダラナイと片付けられる?

そんな彼方の元に、手紙が届く。
宛て先は、彼方。
送り先は、"夕焼け交差点"。

日が暮れることも、明けることも無い。
いつだってその交差点は夕焼け。
眩しすぎる橙色の夕日が、永遠に絶えず、地平線から半分だけ顔を出し輝き続ける。

人生に立ち止まった人が招かれる、特別な場所。
それが"夕焼け交差点"。

―――彼方はその夢が覚めてしまうのが怖くありませんか?

そんな彼方の元に、手紙が届く。
宛て先は、"彼方"。
送り先は、"夕焼け交差点"。

その場所には未来が無い。
だから、夢は覚める事を知らない。

―――彼方は未来が見えないのが怖くありませんか?

そんな彼方の元に、手紙が届く。
宛て先は、"彼方"。
送り先は、"夕焼け交差点"。

だってその場所は、時が進まない。
時計などその場所では必要ない。
進まないのだから。
老いる事も、死ぬ事も無い。

――永遠の場所。

それが"夕焼け交差点"。

―――全ての質問にYESで答えたなら、その手紙を自分の家のポストに投函してください。
        私たちがその手紙を、回収に参ります。


           信じるか信じないかは、彼方次第ですよ?