空に憬れますか？

真っ青な、どこまでも澄んだ青い空。
空と大地のホライゾンにそって、ゆっくりと流れていく白い雲。
登る朝日、沈む夕日。
空を映した水面にきらめく、光のかけら。
暮れゆくモーブ色の空に、輝きだす星々。
紺碧の空に広がる、満天の星と銀河。

新海誠監督の、実質的デビュー作「雲のむこう、約束の場所」を見ると、空に帰りたくなります。

主人公のヒロキとタクヤは、空を飛ぶため飛行機を作っている。
｢ヴェラシーラ(白い翼）」と名づけた飛行機は、２人の大切な夢。
そしてともに淡い恋をしている少女、サユリとの大切な約束。
約束の場所、空のむこうにある「ユニオンの塔」を目指すための、大切な翼。
ひと夏、３人は懸命に飛行機の完成を目指すが、ある日、サユリは２人の前から姿を消してしまった。
彼女の存在の喪失をきっかけに、２人は袂をわかち、ヴェラシーラはそのまま完成することはなかった。
彼女の失踪の裏には、世界をも変える謎があって・・・。
３年後、その謎に気がついた２人は、再び約束の翼を完成させ、約束の場所を目指す。

平行世界とか、平行宇宙の情報を得るためのナノネットとか、いくつかのＳＦロジックはあるけど、話は切なくてほっとする物語。
空を目指し、空の向こうに憧れ、大切な人との約束を守るために、挫折を乗り越えてがんばる少年の話です。
後味の悪いアニメが増えてきた中、ほんとうに良かったと思える数少ない作品です。

♪負けない事、逃げ出さない事、投げ出さない事。
それが一番大事♪
　　
http://www.youtube.com/watch?v=qkLpa7YSYAk

↑予告編の映像アドレス