天使の棲む街

くりす

日々の事やら趣味の事、たまに気まぐれに短編詩とか徒然に…。

ヴァンパイア【前編】

自作小説

「あまり人前でコレを外す事はないんだがね」

そう言いながら彼女は右目の眼帯に手を掛けた。

あ…と、小さく声を漏らしそうになるのを押さえる。

それは見事なくらいハッキリと分かるオッドアイだった。

「人よりちょっとばかりメラニン量とやらが少ないらしくてね…」

そう言いながら赤い方の目を手の平で軽く覆う。

「特にこちら側が極端に少ないらしくて昼間は眩しくてかなわない」

だから右目は普段隠してるんだ、というように肩をすくめてみせた。

「大丈夫、世間では吸血鬼等と噂はされているが血を吸ったりはしないよ。これはトマトジュースさ」

持っていたコップの赤い液体を掲げて見せてニコリと笑う。

病的なまでに白い肌と小柄な身体とはミスマッチなその言葉遣いが

何となく無理をして使っているようで痛々しかった。

  • くりす

    くりす

    2011/10/24 00:40:56

    >sakino様

    コメントありがとうございますヽ(´-`)ノ

    愛する某アーティスト様の影響で
    ちょいエロなホラーな世界観に憧れてしまいますw

  • sakino

    sakino

    2011/10/20 20:59:17

    なんともちょっとホラーチックなお話ですね^^